【FP解説】所得税の控除とは?所得控除の種類や計算方法を知って賢く節税!
【FP解説】所得税の控除とは?所得控除の種類や計算方法を知って賢く節税!
公開日 2020/09/25
更新日 2020/09/25

【FP解説】所得税の控除とは?所得控除の種類や計算方法を知って賢く節税!

所得がある人にとって切り離せないのが所得税です。そして所得税控除とは所得税から差し引くことをいいます。どのようなものが控除されるのか、またその計算方法についてもお伝えしていきます。

執筆:安部智香(ファイナンシャルプランナー)

所得税の控除とは

  • 所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。まず、「所得」とは実際の「儲け」のことで、収入から必要経費を引いたものをいいます。そして、1月1日から12月31日までの1年間で得た所得から「所得控除」を差し引いた残りの「課税所得」に税率を適用して税額を計算します。

  • また、「控除」とは「差し引く」という意味です。人それぞれの事情に応じて控除をすることで、税金の負担を軽くするという仕組みです。

所得税の計算方法

  • 所得税額は「課税所得×税率-税額控除」で計算します。

  • 所得税の税率は、収入が多い人ほど税率が高くなる「累進課税制度」となっていて、所得の額やその人それぞれの事情によって、納める税金の額が違ってきます。

  • 計算の手順は以下の通りです。

  • (1)収入から経費を差し引く

    「収入-必要経費=所得」

  • 必要経費とは収入を得るためにかかった費用のことです。自営業の人や個人事業主の場合は、収入から経費を差し引きますが、会社員の場合は必要経費として「給与所得控除」を差し引きます。

  • 給与所得控除の速算表
    給与収入額給与所得控除額
    162万5,000円以下55万円
    162万5,000円超
    ~180万円以下
    収入金額×40%-10万円
    180万円超
    ~360万円以下
    収入金額×30%+8万円
    360万円超
    ~660万円以下
    収入金額×20%+44万円
    660万円超
    ~850万円以下
    収入金額×10%+110万円
    850万円超195万円(上限)

    出典:国税庁HPを元に筆者が作表(2020年度)

  • (2)所得控除を差し引く

    「所得-所得控除=課税所得金額」

  • 所得控除は全部で14種類あり、個人の事情によって所得から差し引くことができます。

    詳しくは後程お伝えします。

  • (3)税率をかけて控除額を差し引く

    「課税所得金額×税率-控除額=基準所得税額」

  • 所得税税額速算表
    課税所得金額税率控除額
    195万円以下5%0円
    195万円超
    ~330万円以下
    10%9万7,500円
    330万円超
    ~695万円以下
    20%42万7,500円
    695万円超
    ~900万円以下
    23%63万6,000円
    900万円超
    ~1,800万円以下
    33%153万6,000円
    1,800万円超
    ~4,000万円以下
    40%279万6,000円
    4,000万円超45%479万6,000円

    出典:国税庁HPを元に筆者が作表(2020年度)

  • (4)復興特別所得税額を計算する

    「基準所得税額×2.1%=復興特別所得税額」

  • 復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興施策として徴収される税金です。2013年から25年間課税されます。

  • (5)納税額

    「基準所得税額+復興特別所得税額-税額控除=納税額」

  • 所得税額は、基準所得税額と復興所得税額の合計の額になります。

    ただし、直接所得税から差し引くことができる税額控除があります。住宅ローンを組んでマイホームを新築したり増改築したりした人は住宅ローン控除を差し引くことができます。

  • このような流れで納税すべき所得税額を計算していきます。

所得税控除の種類

  • 今までの計算でみたように、所得控除を多く差し引くことで税金のモトとなる課税所得金額が少なくなります。控除の種類ごとにどのくらい控除を受けることができるか一覧にまとめました。

  • 所得控除一覧
    控除の種類控除額
    基礎控除一律48万円
    社会保険料控除その年に支払った金額全額
    小規模企業共済掛金控除その年に支払った掛金全額
    生命保険料控除最高12万円
    地震保険料控除最高5万円
    寡婦(夫)控除27万円または35万円
    勤労学生控除27万円
    障害者控除27万円(特別障害の場合、非同居40万円、同居75万円)
    配偶者控除38万円(配偶者が70歳以上の場合48万円)
    配偶者特別控除最高38万円
    扶養控除38万円(扶養親族の年齢により、48万円、58万円、63万円)
    医療費控除支払った医療費 -保険金など-10万円
    (年間所得200万円未満の場合は総所得額の5%)
    <セルフメディケーション税制>
    スイッチOTC薬購入代金-1万2,000円
    (最高8万8,000円)

    寄附金控除特定寄附金として支出した金額または総所得額の合計額×40%のうちいずれか低い金額-2,000円
    雑損控除次のうち、どちらか多い金額(1)損失額-課税標準×10%(2)災害関連支出-5万円

    出典:国税庁HPを元に筆者が作表(2020年度)

  • 上記の14種類の控除は会社員でも個人事業主や自営業でも利用できる控除ですが、さらに個人事業主や自営業であれば「青色申告控除」を受けることもできます。

  • 青色申告をすれば10万円の控除が受けられ、一定の要件を満たしていれば最高65万円の控除が受けられます。

所得控除の申請方法と注意点

  • 個人事業主や自営業の場合

    個人事業主や自営業の人は毎年2月16日から3月15日の間に、住所地の税務署に確定申告書を提出して納税します。

  • 会社員や公務員の場合

    会社員や公務員は所得税として毎月の給与からおよその額が天引きされています。そして1年経過した時に、年末調整で実際に納める金額より多く納めていた場合は差額が戻ってきます。

  • そのため、基本的に確定申告をする必要はありませんが、「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」を受ける場合は確定申告が必要です。また「住宅ローン控除」を受ける場合は1年目だけ確定申告が必要です。

  • 確定申告の書類の提出方法は、e-Taxを利用して提出する方法もあります。ただし、ICカードリーダライタや税務署で発行されたID・パスワード方式の届出完了通知などの事前準備が必要です。

    印刷して郵送で提出する場合は、締め切りに間に合うよう余裕を持って送るようにしましょう。

  • 税金は複雑というイメージがありますが、所得税の控除を正しく理解して、受けられる控除についてはしっかり手続きをして控除を受けましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年8月8日時点のものです

  • 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)
    女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター
    安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表、
    ファイナンシャル・プランニング技能士2級<国>、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格
    短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げ、個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。著書は『幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪』 (パブラボ)

    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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