【2023年末廃止、でも改正?】ジュニアNISA、はじめるなら今!
【2023年末廃止、でも改正?】ジュニアNISA、はじめるなら今!
公開日 2020/05/21
更新日 2020/05/21

【2023年末廃止、でも改正?】ジュニアNISA、はじめるなら今!

2020年(令和2年)1月から適用となった税制改正により、NISA 制度の見直し・延長などが行われました。
これにより、ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことから、新規の口座開設を2023年末までとして、廃止することが決まりました。
しかし、廃止が決まったことで、これまではネックとなっていたことが解消されるなどメリットが生じており、活用するなら今が有利?とも言われています。

その概要について見ていきましょう。

執筆:森田 直子(保険ジャーナリスト)

ジュニアNISAの概要

  • 「ジュニアNISA」とは、子どもの将来のための、教育資金などに向けた資産形成の方法の一つで、運用利益が非課税になることが一番のメリットです。

  • 利用できるのは0歳~19歳までの人で、口座の開設は本人名義で行いますが、運用管理者は両親または祖父母となっています。年間の投資枠はひとりにつき80万円までです。非課税期間は5年間ですが、ロールオーバーにより継続保有が可能です。

  • ジュニアNISAの概要
    利用できる方日本にお住まいの0歳~19歳の方(口座を開設する年の1月1日現在)
    非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
    口座開設可能数1人1口座
    非課税投資枠新規投資額で毎年80万円が上限(*1)
    非課税期間最長5年間(*2)
    投資可能期間2016年~2023年(*3)
    運用管理者口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)(*4)
    払出し18歳までは払い出し制限あり。(*5)

    *1 未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。

    *2 期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。

    *3 2023年12月末以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、一定の金額までは20歳になるまで引き続き非課税で保有できます。

    *4 金融機関によって異なる場合がありますので、口座を開設される金融機関にお問い合わせください。

    *5  3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払い出しができません。ただし、災害等やむを得ない場合には、非課税での払い出しが可能です。

    ※出典:金融庁HP

  • また、ジュニアNISAで非課税となる対象商品には、次のようなものがあります。

  • ・上場株式(上場新株予約権を含む)

    ・日銀出資証券

    ・上場優先出資証券

    ・上場新株予約権付社債

    ・ETF(上場投資信託)

    ・上場REIT(不動産投資信託)

    ・公募株式投資信託の受益権

    ・外国上場株式等

ジュニアNISAのこれまでのデメリット

  • これまでの法令では、ジュニアNISAには18歳になるまで継続して運用益非課税で保有を継続できるというメリットがありましたが、一方で、お金を引き出す時期については、子ども本人の年齢が「その年3月31日において18歳である年の1月1日以降である場合」に限り、非課税で払い出しができる、となっていました。つまり、高校3年の12月末よりも前に口座外に売却代金や配当等を払い出すと、原則として過去の運用益にも遡って源泉課税が行われてしまう、ということになります。

  • そうなると、中学や高校進学時、また大学での早期の推薦入学などにおいて、この資金を活用できないという点がネックでもありました。そのため、ジュニアNISAはその他のNISA制度と比べて利用者数が伸びず、2019年12月時点での契約件数を見ると、一般のNISAが1,176万6,629口座、つみたてNISAが188万8,946口座に対して、ジュニアNISAは34万3,080口座となっています。そのため、改正ではなく廃止となってしまったわけです。

  • しかし、廃止が決まったことで、今迄ネックとされていたことについて一部改正がありました。その内容について次に解説していきます。

ジュニアNISA 2023年末廃止決定で変わった点

  • 「令和2年度税制改正の大綱」を見ると、ジュニアNISAについては次のように書かれています。

  • (2)未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、次の措置を講ずる。


    1.未成年者口座開設可能期間は延長せずに終了することとし、その終了にあわせ、令和6年1月1日以後は、課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとする。


    2. 次に掲げる書類の提出に代えて、電磁的方法により当該書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を提供できることとする。

    イ 未成年者口座廃止届出書

    ロ 出国移管依頼書

    ハ 未成年者口座を開設している者の帰国に係る届出書

    ニ 未成年者出国届出書

    ホ 未成年者口座移管依頼書

    へ 未成年者口座開設者死亡届出書

    ※出典:令和2年度税制改正の大綱

  • これを簡単にまとめると以下のようになります。

  • ◎新規口座の開設は2023年の12月末までは可能

    ◎2024年以降なら、18歳になっていなくてもお金を引き出すとき「運用利益について非課税」

  • つまり、これまではネックだった「高校3年の12月まで」にお金を引き出した場合は非課税とはならないというデメリットがなくなり、2024年以降ならいつ引き出しても非課税となるメリットを享受できることになりました。これで、中学や高校進学時、あるいは大学の早期の推薦入学などにもこの資金を活用しやすくなります。

  • 例えば現在が2020年とすれば、あと3年間分、最大で、年間80万円×3年=240万円分の枠について運用利益分が非課税というメリットを活用できることになります。すでにジュニアNISAを活用している人はもちろんですが、これから検討している人は2023年までということを踏まえて、早めの検討をお勧めします。

株価が下がっている今、NISAをどう考える?

  • 例えば、株価が下がっている時に不安を感じる人もいるかもしれませんが、株価が下がっている分、多くの量を買えるということになりますので、将来的に市場が好転した時には投資効果が高くなるということも考えられます。メリットとデメリットをよく考えて、契約・解約を検討するのが良いでしょう。

  • なお、これまで説明してきた非課税となるメリットは、あくまで「運用利益」に対して得られるものです。運用結果によっては利益が得られない場合もありますので、こうした投資商品の基本知識もよく勉強した上で活用することをお勧めします。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年5月18日時点のものです

  • 森田 直子(保険ジャーナリスト)

    執筆者プロフィール 森田 直子(保険ジャーナリスト)
    保険・金融分野専門の執筆家で、庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、保険会社ご契約のしおり、業界紙連載、書籍など執筆実績多数。大学講師や業界内外での講演など幅広く活動。保険業界メールマガジン『inswatch』発行人。書籍『保険営業で成長するための~無知の知のススメ』、『就業不能リスクとGLTD』、『あなたの保険は大丈夫?』など。

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事