【FP解説】外貨預金とは?初心者向けにわかりやすくメリットとリスクを説明
【FP解説】外貨預金とは?初心者向けにわかりやすくメリットとリスクを説明
公開日 2020/04/23
更新日 2020/08/26

【FP解説】外貨預金とは?初心者向けにわかりやすくメリットとリスクを説明

銀行のホームページなどで外貨預金の紹介を見ることがありませんか。普通預金や定期預金に預けてもほとんど利子がつかないし、お金がなかなか増えない……などと悩んでいる人は、外貨預金にお金を預けてみるのも良いかもしれません。とはいえ、外貨預金は難しそうと思って一歩踏み出せない人も多いのも事実。そのような人は、まずは仕組みを理解することから始めましょう。気をつけるポイントや始め方がわかると一歩踏み出せるかもしれません。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

外貨預金とは?普通預金との違い

  • 外貨投資とは、その名の通り、円をドルやユーロなどの外貨に換金し、その外貨で預ける預金商品のことです。といってもほとんどの場合、預け入れるための外貨を手元に持っている人はいません。外貨預金では、お金を預けるときには日本円で入金しますが、入金時の為替レートで入金したい円での金額相当分の外貨に両替され、その外貨金額を貯めていく仕組みです。

  • 海外旅行に行ったことがあれば、銀行や両替所などで通貨の換金をしたことがある人もいると思います。その時には表示されている為替レートで計算された外貨を受け取ります。そのお金を銀行に預けるイメージです。

  • 利子の支払いも外貨で行われます。ドルやユーロ、イギリスポンドなどといった通貨の種類にもよりますが、外貨預金の金利は一般的な日本円の預金金利より高めのものが多くあります。そのため外貨ベースでは、日本円の銀行預金商品に比べて多めの利子を期待できます。

  • 現金が必要になって外貨預金からお金を引き出す際は、払出時の為替レートを使い、預けている外貨を日本円に換金し、日本円で受け取ります。外貨預金を取り扱う銀行によっては、海外旅行に行く前などに外貨預金口座のお金を日本円に換金せずに預入通貨のまま払い出せたり、海外旅行先でそのまま現地通貨で現地のATMから引き出せる場合もあります。

  • 外貨預金は多くの銀行で扱っており、取り扱う外貨の種類もたくさんあります。米ドルやユーロといった主要通貨だけでなく、中国元や豪ドル、また南アフリカランドなどあまり聞き慣れない通貨も取り扱われており、銀行によっては20種類近くの通貨から自由に選べるところもあります。

外貨預金に重要な為替について

  • 外貨預金は、預け入れたお金の額が変動する金融商品です。

    その原因となるのが為替。一般的に外貨預金は預けるときも、払い出すときも、その時々のレートで円から外貨に、外貨から円にと通貨を換金しますが、その時の為替によって入金される外貨や受け取れる円の金額が変わります。海外旅行で何度か実際に外貨両替をしたことのある人は経験していると思いますが、例えば10万円を換金するにもその時のレートによって手元にもらえる外貨の額が違います。

  • そこで外貨預金をする前に、為替に関する2つのことを知っておきましょう。

  • 1つ目は、「TTS」と「TTB」の違いです。テレビや新聞などで毎日伝えられる為替レートは、実は金融機関同士の取引に使われるレートです。一般の預金者が外貨預金をするときには、為替手数料を上乗せされた「TTS」や「TTB」というレートが使用されるため、新聞に載っているレートとは少し異なります。

  • 「TTS」とは円を外貨に換える時のレートのことで、外貨預金を預け入れる時に適用されます。反対に「TTB」は外貨を円に換える時のレートのことで、外貨預金を払い出す時に適用されます。ちなみに為替手数料は銀行によって異なりますので、いくつかの銀行で比較するようにしましょう。

  • もう1つ大切なことは「円高」と「円安」の違いです。

  • 「円高」や「円安」という言葉自体はニュースなどで聞いたことがある人は多いと思います。為替レートは日々刻々と変動しており、「円高(円が高い)」なのか「円安(円が安い)」なのかは「いつ」と「いつ」を比べるかによって変わってきます。外貨預金に関して言えば、預け入れた時から比較してみて「円高」になっているか「円安」になっているかを判断します。

  • 詳しい説明はここでは省略しますが、仮に預け入れ時のレートが1ドル=100円とした場合、1ドルが100円よりも小さくなれば「円高」、100円よりも大きくなれば「円安」となります。たとえば1ドル=100円から99円になれば円高、1ドル=100円から101円になれば円安です。

  • 実は外貨預金では、預け入れ時よりも円高になると元本割れしてしまいます。逆に円安になっているときに払い出すと利益を得ることができます。損をするか利益を得られるかを判断するためには円高・円安を正しく知っておくことが大切ですから、間違わないようにしてください。

外貨預金を始めた場合の例

  • 具体的な例で見てみましょう。

  • 例えば日本円で10万円分を米ドル預金に預け入れるとします。預け入れ時の為替レート(TTS)は1ドル=100円、金利は年0.05%とします。

  • 入金時

    10万円を米ドルに換金します。TTSが1ドル=100円のとき、10万円相当額の米ドルは1,000ドル(10万円÷100円)となり、1,000ドルを預金することになります。

  • 利子付与時

    1,000ドルで預け入れた後、入出金等なく、そのまま残高が変わらなければ1年間に付与される利子は0.5ドル(1,000ドル×0.05%)となりますが、日本円の預金商品同様に20.315%の源泉分離課税が差し引かれます。実質的に受け取れる利子額は約0.4ドルとなります。

  • 払出し時

    たとえば、払出し時の為替レート(TTB)が1ドル=110円とした場合、円ベースで考えると1,000.4ドル(1,000ドル+利子0.4ドル)の価値は11万44円(1,000.4ドル×110円)となりますから、全額を払い出すことで1万44円(11万44円-10万円)の利益を得ることができます。もちろん全額払出ししなくても、一部払い出すこともできます。

  • 一方、払出し時の為替レート(TTB)が1ドル=90円とした場合、円ベースで考えると1,000.4ドル(1,000ドル+利子0.4ドル)の価値は9万36円(1,000.4ドル×90円)となりますから、全額を払い出してしまうと9,964円(90,036円-10万円)の損失を被ってしまいます。もちろん為替が円安になるまで待つことはできますが、現金化が必要で円安になるまで待てない場合もあります。

  • 預け入れる金額が大きいほど、為替レートの影響による損失も利益も大きくなってしまいます。「預金」という名前が付いていますが、外貨預金をするときには株式や投資信託、FX(外国為替証拠金取引)のような投資商品として捉え、まずは少額から始めるのが大切です。

初心者におすすめ積み立てタイプの外貨預金

  • 為替レートがどう動くかは、プロでも予測するのが難しいと言われています。実際には為替の動きはたくさんの要因が影響していますが、簡単に言うと、その通貨の需給関係で決まり、人気があればその通貨の価値は上がります。この人気の度合いは、その国の景気や株価、貿易収支、投資動向などの経済的要因や、その国の金融政策や要人(首脳など)の発言、戦争やテロなどの政治的要因が複雑に絡み合って決まります。

  • そこでおすすめなのが、積み立てタイプの外貨預金です。毎月一定額を円預金口座から自動的に引き落とし、外貨に換金、外貨預金口座に積み立てていく仕組みです。その時々で為替レートは変わりますが、コツコツ継続的に続けていくことで外貨の購入に対して2つのメリットを得られます。

  • 1つ目は「購入単価を平準化」することができます。たとえば、毎回の購入時の為替が100円、110円、120円、90円、110円と動いた場合、この5ヵ月間の平均購入単価は106円になります。つまり106円より円安になれば元本割れを免れられるということを示します。

  • 2つ目は、「取得する外貨量を平準化」することができます。円高であれば外貨を多めに購入でき、それに応じて外貨預金の残高が増えます。円安であれば外貨の購入は少なめですが、定期的に購入を続けることで、取得する外貨量を平準化する効果を得られます。

  • 為替レートも購入する外貨量も、平準化することでリスクの低減効果を期待できます。円高・円安といった為替レートを気にするストレスも低減され、自動的に積み立てされることで預け入れの手間も省けるのは安心でしょう。

  • 最近では毎月の積立額を500円から取り扱うところもあります。まずは安全と思われる通貨や旅行などで使いそうな通貨を選んで申し込んでみるのも良いでしょう。

  • 外貨預金を積み立てしていくことでリスク低減効果は期待できますが、外貨預金は預金保険の対象にはならないなど、他にも注意するポイントがあります。本当にリスクを抑えながら資産形成していくためには、円預金と外貨預金、その他の金融商品などを自分のリスク許容度に合わせ、バランス良く利用することを心がけてください。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年4月15日時点のものです。

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事