

一人暮らしの光熱費の平均は?電気代やガス代を賢く節約するコツ
憧れの一人暮らし。でも、一人暮らしを始めるということは、実家暮らしではあまり気にしていなかった光熱費の支払いも自分でしなければなりません。辛い節約はしたくないけれど、できるだけ光熱費を抑えることができたら嬉しいですね。
そこで、賢く光熱費を抑えるコツをお伝えします。
光熱費を節約する前に家計費の予算を立てる
一人暮らしを始めると、決められた収入でやりくりしなければなりません。でも、初めて一人暮らしをする場合、「何に」「いくら」必要なのか、そもそもわからない方もいるのでは。
そこで、まずは予算を立て、その中でやりくりすることから始めましょう。
家計費には毎月必ず支払わなければならない「固定費」と毎月支出の項目や金額が変わる「変動費」があります。
「固定費」とは、家賃や水道・光熱費、携帯電話代などです。そして「変動費」は、食費、被服・美容費、雑費、交際費などが当てはまります。
一人暮らしで一番大きな支出となるのが「家賃」でしょう。
家賃は収入の30%程度で収まるように予算を立てるといいでしょう。会社員の場合は、月収が25万円とすると、7万5,000円以下ということになります。学生の場合は仕送りやアルバイト収入の合計の30%で考えてみてください。
そして、大切なのが貯蓄です。貯蓄は収入の20%くらいはしていきたいですね。
その他の予算としては、水道、光熱費、携帯電話代などの固定費が10~15%、食費が15~20%で予算を立ててみましょう。美容・被服費や雑費、交際費は人によってそれぞれお金をかけたいところが違うと思います。残りの15%~25%で、自分のライフスタイルに合わせて予算を立ててみてくださいね。
一人暮らしの光熱費の平均
では、実際に一人暮らしの光熱費はいくらくらいになるのでしょうか。
単身世帯の光熱費(2019年) 実数(円) 電気代 68,399 ガス代 36,139 他の光熱 9,855 出典:総務省統計局『2019年度家計調査(家計収支編)の単身世帯』より筆者作成
この調査結果をもとに、1か月当たりで計算してみると、電気代は約5,700円、ガス代は3,012円、他の光熱は約821円になります。
1か月の電気代、ガス代、他の光熱費の合計は約9,533円になります。
先ほど固定費の予算を10%~15%とお伝えしました。例に挙げた月収25万円の場合では、固定費の予算2万5,000円~3万7,500円中で、光熱費は1万円以下を目安にするといいでしょう。
光熱費が高くなる季節の節約方法
光熱費が、普段は予算内に収まっている人でもやはり夏や冬は電気代やガス代が高くなりがちです。
光熱費を抑えたいからと言って、暑いのにエアコンを入れなかったり、寒いのに暖房を入れずに我慢したりして体調を崩したりするのは避けたいですね。
ムリをせずに光熱費を抑える方法を考えていきましょう。
夜の電気代を安く
一人暮らしの場合、日中は仕事や学校、アルバイトなどで家にいないことが多いでしょう。
そのような場合に、夜の電気料金が安くなるプランがあります。
電力会社によって、電気代が安くなる時間帯やプランは様々ですが、オール電化の住宅に住んでいたり、タイマー付きの家電で深夜や早朝に家事ができたりする人は、夜に電気代が安くなるプランを見積もってみるのもいいでしょう。
ただし、電力会社によって、昼間の電気代が割り増しになったり、基本料金が割高になっていたりする場合もあるので、自分の生活パターンと照らし合わせて考えてみてください。
アンペアを変える
電気料金のプランを変えずに電気代を安くする方法としては、アンペアを変えるのも手です。
2020年2月現在、大手電力会社の一般的な家庭用40アンペアは1,144円ですが、30アンペアに変えると858円になり、1か月当たり286円安くなります。
ちなみに、冷蔵庫、洗濯機、冷房を同時に利用した時に必要なアンペアは20アンペアです。自分の生活で、どのくらいの電気製品を同時に利用するか考えてみるといいでしょう。
エアコンは除湿と冷房どちらが安くつくの?
夏にエアコンを利用する時に気になるのが、「除湿」か「冷房」、どちらの電気代が安くなるの?ということでしょう。
除湿機能には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があり、「弱冷房除湿」を利用した場合は冷房より電気代が安くなりますが、逆に「再熱除湿」を利用すると冷房より電気代が高くなります。
自分の家のエアコンの除湿機能を調べて、上手に使い分けるといいですね。
自分でできる工夫は?
光熱費を抑えるために、自分でもできる工夫は取り入れていきましょう。
エアコンのフィルターが汚れていると、空気をスムーズに取り入れることができず、余分な電気代がかかります。フィルターの掃除はマメにしておきましょう。
寒い季節は、カーテンを断熱効果の高いものにするだけで部屋の温度を保つことができます。カーテンの長さも床まで届くようにすると暖かい空気が逃げません。
窓に断熱シートを貼るのもおススメです。
また、部屋の照明はLEDの電球を利用すると電気代を節約することができます。一度設置すると約10年間程度は面倒な電球を交換する必要がないので、手間がかからず一人暮らしの女性には嬉しいです。
光熱費を節約するためのお部屋探しの注意点
一人暮らしをする時に最初にすることは部屋を探すことです。
部屋を契約する時に、ガス会社や電力会社を自由に選べるかどうかチェックしておくといいでしょう。
「電力・ガス自由化」って?
2016年4月から「ガス自由化」、2017年4月から「電力自由化」が始まりました。これにより、多くのガス会社や電力会社の中から自分で選んで契約ができるようになりました。
電力会社とガス会社を同じ会社にすることで電気とガスのセット割が利用できたり、インターネットやスマートフォンとのセット割が利用できたり、様々なプランがあります。
自分にとってどのようなセットにするとメリットがあるのか、プランの比較をしてみるといいです。
都市ガスvsプロパンガス
ガス会社には都市ガスとプロパンガスがあります。
プロパンガスは業者がガスボンベに入れて各家庭に届けてくれます。プロパンガスは業者が自由に値段を設定でき、一般的に都市ガスより高い傾向があります。
先ほど、ガス自由化についてお伝えしましたが、自由に会社を選べるのは都市ガスだけのため、プロパンガスから都市ガスに切り替えすることはできません。
地域によって、プロパンガスしか供給していない所もありますが、もし都市ガスもプロパンガスも選べる地域であれば、借りようとする部屋はどちらのガスに対応しているか確認してから契約しましょう。
一人暮らしは、健康管理が一番大切です。
光熱費の節約をするあまり、体調を崩して仕事を休んだり、医療費がかかったりしては元も子もありません。ムリのない節約で心地よい一人暮らしを楽しんでください。
※ 本ページに記載されている情報は2020年3月23日時点のものです
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執筆者プロフィール 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)
女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表、
ファイナンシャル・プランニング技能士2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格
短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げ、個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。著書は『幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪』 (パブラボ)
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