初任給の平均はいくら?社会人なら押さえておきたい貯金や税金の話
初任給の平均はいくら?社会人なら押さえておきたい貯金や税金の話
公開日 2020/02/26
更新日 2020/02/26

初任給の平均はいくら?社会人なら押さえておきたい貯金や税金の話

学生の立場から自分で稼ぐ立場になったみなさんにとって、自分の初任給が平均と比べて高いか低いかが気になるところでしょう。
ただ、他人と比較しているだけでは資産づくりは行えません。
税金や社会保険料、将来のための貯蓄など今まで知らなかったお金のことを自分で調べ、考えていくことが必要になります。

今回は、初任給の内訳や新入社員でもできるお金の工夫など、社会人になったら知っておきたいお金の話をします。

執筆:橋本 絵美(ファイナンシャルプランナー)

気になる大卒の初任給の平均はいくら?

  • “まわりのみんなはどれくらい初任給をもらっているのか”は、やっぱり気になるところですよね。結論からお話します。厚生労働省が行った平成30年賃金構造基本統計調査(初任給)によると、大卒初任給の平均は20万6,700円です

  • 大卒の初任給の平均は約20万円ということですが、初任給が平均より高いか低いかだけで一喜一憂してはいけません。初任給の額面だけではわからない、福利厚生やその他待遇があることも知っておきましょう。

  • 例えば

    ・家族手当

    ・住宅補助

    ・社宅

    ・保養所

    ・社内食堂

    ・休暇制度

    ・財形貯蓄の優遇金利

    ・持ち株制度

  • などの充実具合によっては、初任給が平均より低い場合でも、得られる収入は逆に多いかもしれません。

初めてもらったお給料!思っていた額より少ないのはなぜ!?

  • 初任給が20万円と言われていても、いざ振り込まれた金額は20万円よりも少なくなっています。これはなぜでしょうか?

  • いわゆる“手取り” と言われる、実際に振り込まれる金額は、給与の総支給額から

    ・所得税

    ・住民税(2年目以降)

    ・厚生年金保険料

    ・健康保険料

    ・雇用保険料

    といった税金や社会保険料(健康保険など、社会の相互扶助のための保険制度に支払うお金)が差し引かれた金額となっているからです。会社によっては組合費などが引かれる場合もあります。

  • 例えば、東京都内の会社に勤務する人の初任給が20万円だった場合、月給から差し引かれる税金・社会保険料は次の通りとなります。

  • ・厚生年金保険料……1万8,300円

    ・健康保険料……9,900円

    ・雇用保険料……600円

    ・所得税の源泉徴収税額…3,770円

    ※東京都協会けんぽに加入している一般事業者にお勤めの場合(平成31年度)

  • となり、初任給20万円であっても手取りは16万7,430円になります。また、2年目からは、前年の収入によって計算された住民税も引かれることに。1年目と2年目で額面給与が変わらなければ、2年目のほうが手取りは少なくなってしまうのです!もらった給与をきれいさっぱり使ってしまうと、2年目以降、生活が苦しくなるので気を付けましょうね。

社会人になったら、知っておきたい制度

  • ここまでの話で、給与からこんなに色々引かれるなんて……と驚いたかもしれません。でも実は、一度引かれた税金が戻ってくる、利子が非課税、などの制度もあるのです。新入社員でも利用できる制度を3つ、ご紹介します。

  • ・財形貯蓄制度を利用する

    給与から天引きで金融機関に貯蓄をしてくれる「財形貯蓄制度」という制度があります。財形貯蓄制度は貯蓄の目的に応じて、「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類となっています。財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄には利子等の非課税制度がありますし、会社を経由して積み立てていくので、お金が貯まりやすい傾向があります。

  • 一般財形貯蓄:使用目的は限定されず、自由に使うことができる給与天引き貯蓄制度です。ただし、利子等非課税の優遇措置はありません。

  • 財形年金貯蓄:60歳以降に年金として受け取るための老後の資金づくりを目的としています。「財形住宅貯蓄」と合わせて、貯蓄残高550万円まで利子等非課税となります。(保険などの商品の場合は、払込額385万円まで)。

    ただし、60歳以降の年金以外のために払い出しを行った場合は利子等に課税されます。

  • 財形住宅貯蓄:住宅資金の準備を目的とした、給与天引き貯蓄制度です。「財形年金貯蓄」と合わせて、貯蓄残高550万円まで利子等非課税となりますが、住宅資金以外の目的のために払い出しを行った場合は利子等に課税されます。

  • 一般財形貯蓄には非課税の優遇はありませんが、会社によっては金利の上乗せをしている場合があります。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は用途が制限されるものの利子等非課税の優遇が受けられます。

  • 給与を使う前に貯金してしまう「先取り貯蓄」が、貯蓄成功の王道です。財形貯蓄制度は、社会人になったら最初に身につけておくべき先取り貯蓄の習慣を、自動的に行うことができます。同制度が会社にある場合は積極的に活用するとよいですね。

  • ・ふるさと納税をする

    ふるさと納税とは、支援したい自治体(市区町村)に寄附する制度です。寄附をするとお礼の品がもらえ、所定の手続きをすると、2,000円を超過して寄附した分については、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。

  • ただし、寄附をすればするほどいいわけではありません。収入や家族構成などによって自己負担が実質2,000円で済む寄附金額には、上限があります。上限を超えて寄附をした場合には、自己負担額が増えてしまうことになるので気をつけましょう。

  • ふるさと納税をする際にはまず、自己負担が2,000円で済む上限額のシミュレーションをすることをオススメします。上限額のシミュレーションはふるさと納税のポータルサイトにあります。ポータルサイトはお礼の品を選ぶ際にも便利です。

    https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

    (総務省 ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」)

  • 所得税の還付や住民税の控除を受けるには申請をする必要があります。申請する方法は2種類あり、“確定申告”もしくは“ワンストップ特例制度”のどちらかを選択できます

  • ワンストップ特例制度なら、手続きは簡単です。下記の2種類の必要書類を寄附した年の翌年1月10日必着で寄附先に送るだけです。

  • ・寄附金税額控除に係る申告特例申請書

    ・「マイナンバーカード」または「マイナンバー通知カード(またはマイナンバーが記載されている住民票)および申請者本人を確認できる書類」

  • 寄附金税額控除に係る申告特例申請書は、ポータルサイトからダウンロードすることができます。確定申告をする必要のない給与所得者等で、 1年間の寄附先が5自治体以内であれば、このワンストップ特例制度を利用することができます。もし、何らかの理由で確定申告をする場合や間違えて6団体以上に寄附をしてしまった場合、申請書類の送付を忘れてしまった場合には確定申告で申請をしましょう。

  • ・年末調整で各種控除の申請をする

    企業は所得税の見込み額を毎月天引きしています。これを“源泉徴収”と言います。“源泉徴収”は見込み額なので、本来納めるべき所得税との間にずれが生じてしまいます。

  • “源泉徴収”した額と、本来納めるべき所得税の額とのずれを解消するのが“年末調整”です。

    本来納めるべき所得税の額は、所得の総額から各自の状況を加味した金額を諸々差し引いた上で算出されます。所得から差し引かれることで、その分課税される所得が低くなり、税金が安くなります。この諸々差し引かれるもののことを“所得控除”と言います。 年末調整の際に自分が該当する“控除”の申請を行います。

  • 新入社員でも該当する人が多く、忘れずに申請してもらいたいのが “生命保険料控除”です。社会人になると、親や先輩から勧められて生命保険に加入する人もいることでしょう。生命保険料控除は、支払った生命保険料の金額を最高12万円まで所得控除してくれる制度です。いくら控除されるかは加入している保険の種類とその加入時期によって異なります。生命保険の中には貯蓄ができるタイプもあるので、生命保険料控除が適用されると節税しながら貯蓄をすることができます。

  • 加入している生命保険会社から生命保険料控除証明書が送られてきます。年末調整の書類と併せてこれを会社に提出すると該当分を控除してもらえます。必ず提出してくださいね。

  • この他の控除には、以下のようなものがあります。該当する場合には申請をしましょう。

  • 所得控除の一覧主な税額控除の一覧
    基礎控除配当控除
    社会保険料控除外国税額控除
    配偶者控除政党等寄附金特別控除
    配偶者特別控除認定NPO法人等寄附金特別控除
    扶養控除公益社団法人等寄附金特別控除
    障害者控除住宅借入金等特別控除
    寡婦(寡夫)控除住宅耐震改修特別控除
    勤労学生控除住宅特定改修特別控除
    小規模企業共済等掛金控除認定住宅新築等特別税額控除
    生命保険料控除その他特別控除
    地震保険料控除
    寄附金控除
    雑損控除
    医療費控除

    ※国税庁HPを参考に筆者作成

  • いかがでしたか? 給与や待遇、税金について正しく理解することで、新入社員でも使えるお金を増やせることがお分かりになったのではないでしょうか。今後の様々なライフステージを考えて、戻ってくる税金や申請後にもらえるお金の仕組みを理解しておくと、先々の安心につながります。これらは自動的にもらえるというものはなく、自分で手続きをしなければならないもの。このコラムを読んだみなさんは面倒くさがらずに申請してくださいね。社会人になったことを機会に、マネー情報にアンテナを張っておくことをおすすめします。

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  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年2月17日時点のものです

  • 橋本 絵美

    執筆者プロフィール 橋本 絵美
    家計の窓口(ファイナンシャルプランナー)
    ハピママlabo代表
    福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子ども=お金がかかるという考え方ではなく、子どもは宝であり、ママたちが安心してもう一人子どもを産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片づけプランナーとしても活動中。ご相談を受ける中で蓄えてきた知恵と自身の経験を生かし、“貯まる家計の仕組みづくり”と“子どもがいてもすっきり片付く部屋づくり”のアドバイスを行っている。

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