【FP解説】退職金と確定拠出年金は何が違う?私はもらえるの?わかりやすく説明します
【FP解説】退職金と確定拠出年金は何が違う?私はもらえるの?わかりやすく説明します
公開日 2020/01/27
更新日 2020/01/27

【FP解説】退職金と確定拠出年金は何が違う?私はもらえるの?わかりやすく説明します

確定拠出年金という言葉を最近よく耳にするようになりました。老後にもらえるお金だということはなんとなく分かりますが、退職金と何が違うのか、両方もらえるのか、そもそも自分にも関係あるのか、疑問に思う方は多いでしょう。

確定拠出年金も退職金も、「退職のときにもらえるお金」であることには変わりませんが、中身はまったく違います。理解が深まれば、税金も違ってくるかも!?さっそく確認してみましょう!

執筆者名:岡田のりか(ファイナンシャルプランナー)

ズバリ。退職金と確定拠出年金の違いはこれ

  • 退職金は会社責任、確定拠出年金は自己責任

  • 退職金と確定拠出年金の違いは、退職金は基本的に会社主導の制度であるのに対し、確定拠出年金は自分主導の制度である、いうことです。また、もらうときに退職金は退職するときにまとめて一括でもらうことがほとんどですが、確定拠出年金は受け取り方を自分で選ぶことができます。

  • 退職金は、一般的に会社の規定で支給金額が決められていて、お金の準備も支払いもぜんぶ会社が責任を負っています。

    従業員の立場からすると、会社にお任せなので楽なのですが、会社が倒産すれば退職金はもらえない可能性がありますし、会社の業績が悪化したときには規定が変わって退職金が減らされることもありえます。また、定年まで働かずに自己都合で退職した場合は、もらえる金額が減ってしまう会社がほとんどです。

  • 一方で確定拠出年金(企業型)は、お金の準備(拠出といいます)は会社または個人負担です(両方可能な場合もあります)が、積み立てたお金の運用方針は、従業員個人が自分で決めます。運用の結果しだいで、将来受け取ることができるお金の額も変わってくるということです。

    運用というとなんだか難しそうですし、手間もかかりそうですが、個人の財産になりますので、会社の倒産や業績には影響されません。また、運用といっても必ずしも株などに投資しなければならないわけではなく、定期預金など、元本割れしにくいものから選ぶこともできます。

    受け取ることができるのは60歳以降ですが、受け取り方法は一時金・年金・両方から選ぶことができます。

  • ◎退職金はご褒美。確定拠出年金は老後資金

  • 2つの制度には、転職するときにどうなるかにも大きな違いがあります。

  • 退職金は、雇用形態にもよりますが、基本的にはやめる会社からその時の勤続年数に応じて支払われます。対象者の場合、「長く働いたご褒美」と考えると分かりやすいですね。ですから、勤務年数が少なければもらえる金額は少ないかもしれません。

  • 確定拠出年金は、「老後資金を作ること」を目的とした制度なので、60歳まで受け取ることができません。

    転職をする場合は転職先に確定拠出年金の制度(企業型)があれば、そのまま持っていくことになりますし、転職先に制度がない場合は、個人型の確定拠出年金(iDeCo)に引き継ぐことになります(iDeCoについては後で説明します)。

  • 以上をまとめて表にしてみますね(表1)。

  • (表1)退職金と確定拠出年金の違い

    退職金確定拠出年金
    お金を積み立てるのは会社会社または個人(両方の場合もあり)
    受け取るお金の金額は会社が決める自分の運用結果しだい
    転職するときはそのときの勤続年数で金額が決まることが多いので、受け取り金額が少ない可能性あり転職先の制度に移す
    または個人型確定拠出年金に移す

    会社が倒産したら支払われない可能性あり資産は守られる
    受取方法は基本的には一時金
    (選べる場合もある)
    一時金払い・年金払い・併用から選ぶことができる

あなたが使える退職金制度はどっち?

  • ◎退職金制度は会社によって色々!

  • 結婚・出産・介護など、ライフイベントに合わせて働き方を見直す女性は多いですから、退職や転職の可能性は無視できません。ですから、退職金のことを知っておくことはとても大切です。

  • ただ、退職金の制度とひとことでいっても、実はその中身はとても複雑。

    なかには死亡したら遺族に支払われる遺族給付金や、障害を負ったときにもらえる障害給付金などが用意されているケースもあります。

    また、退職金の制度は、健康保険や厚生年金のように「必ず会社が導入しなければならない」と法律で決められているわけではないので、退職金制度そのものが存在しない会社もあります。

  • 自分が働く会社にはどういう制度があるのか、規定をチェックしたり、人事の担当に問い合わせたりすることで、確認しておくと安心ですね。また、退職金の制度を変更しようとしている会社では、見直し前と見直し後とで制度がどう変わるのか、その見直しで自分の退職金にどんな影響があるのか、できるだけチェックするようにしましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)はどうなの?

  • 確定拠出年金には、企業型と個人型がある

    ここまでに登場した「確定拠出年金」は、会社の制度のことを指しますが、実はこれを「企業型」の確定拠出年金といいます。「企業型DC」と呼ばれることもあります。

    確定拠出年金には、もうひとつ、「個人型」と呼ばれるものがあります。個人を表わす「individual」と確定拠出年金を表す「Defined Contribution Plan」をつなげて略し、『iDeCo(イデコ)』といいます。

    ニュースなどで、見たことがある人もいるのではないでしょうか?

  • 企業型の確定拠出年金はこの制度を導入した会社の制度ですので、その会社で働いている人が対象となりますが、個人型(iDeCo)はほぼすべての人が加入することができます

    (企業型を導入している会社で働いている人は、iDeCoには加入できないことがありますので、注意してくださいね)。

  • 企業型でも個人型でも、老後資金を作るための制度であることと、自分で運用方針や受け取り方を決めるという点は同じです。

  • 確定拠出年金は税金が免除に

    実は、確定拠出年金は、税金が免除になるというメリットが大きい制度でもあります。

  • 税金が免除になるポイントは3つあります。

    1つめ: 掛け金を支払ったとき

    2つめ: 運用利益がでたとき

    3つめ:(60歳以降に)受け取るとき

  • 中でも1つめの掛け金に関するものが確実で大きなメリットがあります。自分で出した掛け金を、「全額(!)」所得から控除することができるのです(企業型の場合は、自分で掛け金を出している場合はその分控除できます)。

  • 具体的な数字でイメージしてみましょう。

    たとえば、年収500万円の30歳女性が毎月5千円でiDeCoに加入した場合、年間6万円(5千円×12ヶ月)所得から控除することができ、税金が所得税・住民税あわせて1万2千円お得になります。*

    30年間続けたら、1万2千円×30年=36万円です。

  • *課税所得=年収-給与所得控除-社会保険料控除-基礎控除として計算。住民税は10%で計算。

  • また、通常の投資では利益がでると税金がかかりますが、確定拠出年金の運用での利益はこれが免除されます(2つめ)。

    そして受け取るときは、一括で受け取れば退職所得控除、年金として受け取れば公的年金等控除という所得控除の対象になります(3つめ)。

  • 確定拠出年金を、老後資金を作るためにうまく活用したいですね。

退職金と確定拠出年金の違い まとめ

  • 退職金にも確定拠出年金にも、それぞれのメリット・デメリットがありました。

    それぞれを上手に使っていくために、まずは自分が使える制度はどれなのか、その内容はどうなっているのか、正しく理解することが基本です。そして、ご自身のライフプランに合わせた退職・転職・老後の計画にも活かしていきましょう!

  • ※ 本ページに記載されている情報は2019年12月20日時点のものです

  • 岡田のりか(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 岡田のりか(ファイナンシャルプランナー)
    妊活・出産・育児中の女性向けのマネープラン相談やコラム執筆、セミナー講師を中心に活動中。米国公認会計士の資格も持つ。FPオフィス ナチュール代表 (東京都小金井市)

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