シゴトとワタシ~私のキャリアノート~第5回「20代で3職種を経験してわかった自分らしさ」吉川夏澄さん
シゴトとワタシ~私のキャリアノート~第5回「20代で3職種を経験してわかった自分らしさ」吉川夏澄さん
公開日 2019/09/30
更新日 2019/09/30

シゴトとワタシ~私のキャリアノート~第5回「20代で3職種を経験してわかった自分らしさ」吉川夏澄さん

女性の人生は大人になるほど選択だらけ。シゴトを続ける、続けない。結婚をする、しない。出産をする、しない。そして、生き生きとシゴトを語る人をみると「今のシゴトはワタシに合っているのかな…」と考え転職する、しない。そんな選択を繰り返しながら、今、笑顔でシゴトを続けている女性たちにインタビュー。

第5回目はクリエティブPRを行う企業として話題の神谷製作所でPRプロモーターを担当している吉川夏澄さん。そのキャリアはまさに波瀾万丈!他業種へ転職を繰り返しながら、今に行きついたその理由を包み隠さず話してくれました。

取材・文/中屋麻衣子 撮影/上山忍
  • ■プロフィール

    吉川夏澄(よしかわかすみ)29歳

    神谷製作所 PRプロモーター

    高校を卒業後、外資系アパレルブランドで販売のバイトを始め、3年後に正社員に。同ブランドで経理、マネージャーを務め25歳で転職。大学病院の医療事務として受付やレセプトを担当する。約2年勤めた後、神谷製作所に転職しPRプロモーターの道に進む。趣味はダイビングで、まとまった休みがとれるとすぐ海に出てしまうとか。

■「この人になりたい」という上司と出会ったことが仕事のターニングポイント

  • 女性 最初に就いた仕事
  • ――吉川さんはこれまで面白いキャリアの積み方をしてきたと聞いて、取材をお願いしたのですが…。最初に就いた仕事を教えてください。

    高校を卒業した後、ファッションが好きだったのでアパレルブランドで販売のバイトを始めました。同時に昔から水泳をやっていたこともあり、スポーツジムで水泳のインストラクターも掛け持ちしていて。バイトをするなら好きなことをしたい!と思うようなフリーターでしたね。

  • ――何がきっかけで正社員になろうと思ったんですか?

    私のキャリアのターニングポイントでもあるのですが、アパレルで尊敬できる上司と出会ったことです。当時、店舗マネージャーだった上司で、バイトを含め店舗スタッフの人材管理をしていた女性。大きな店舗だったので50人以上いるスタッフ、ひとりひとりに目を配っていて、常に声をかけていました。それだけでもすごいのに、個々の個性を理解したうえで「あなたのここは素晴らしい。でも、こうすればもっとあなたは輝ける」と絶対に否定をせずに、持っている能力を引き伸ばすアドバイスをしてくれるのです。そんな人と初めて出会ったので「私もこうなりたい」って思って。単純に、この人のようになるには、まずは私も店舗マネージャーになろうと思い、そのために正社員を目指しました。私、性格的にとても単純なタイプで、一度「こうだ」と思うとそれに向かって突き進んでしまうところがあって(笑)。上司みたいになりたい!こんな風に自分も働きたい!という思いだけで正社員とマネージャーを目指しました。

  • ――ターニングポイントが早い! 10代で「こんな人になりたい」と思えるのはなかなかないと思います。

    今でも彼女の働き方は私にとって指針になるほどの大きな出会いでした。正社員になってすぐは経理に回されたんですけど、その頃から周りに「店舗マネージャーになりたい」とアナウンスしていて。経理の仕事を終わらせたら店舗に出て店舗マネージャーの仕事ぶりを見たり、直接「仕事を教えて」と聞いたりして勉強していたんです。その甲斐あって、2年後に店舗マネージャーに昇進できて、憧れの上司から「有言実行だね」と言われてとても嬉しかったですね。

  • ――すごいバイタリティですね。実際に憧れの店舗マネージャーになってみて理想と現実のギャップはありましたか?

    店舗マネージャーとして私が取り組んでいたのは、スタッフひとりひとりから「今、何がしたい?」と仕事に対する要望を聞いて、できるだけその仕事に就けるような能力を引き出し、モチベーションをアップさせること。もともと、人の話を聞くのが好きですし、現場で動き回っているほうが性に合うので、ギャップはそこまでなかったです。私、マグロみたいに動いていないとダメなんですよ(笑)。回遊魚タイプなので、止まると死んでしまうというか。ですから、常に動いていろいろな人の話を聞くこの仕事はすごく楽しかった。思った以上に大変だったのは50人以上のスタッフのシフトを作ることぐらいですかね。

    女性 店舗マネージャー
  • ――マグロとは言い得て妙! 吉川さんのイメージが伝わります(笑)。20代半ばで自分に合った仕事を見つけて充実していたのでは。

    充実していましたが、店舗マネージャーになって1年で医療事務に転職しました。

■夢で突きつけられた自分の価値に焦り、資格を取得して転職

  • ――医療事務はまったく違う業界ですが、なぜ転職を?

    この理由を言うと「大丈夫?」と思われるかもしれませんが、正直に言いますね。社長に「夏澄、クビ」と言われる夢を見たんです。たかが夢ではありますが、ふと今、クビになったらどうしようと考えたんです。高卒だし、特に資格もないし、私の需要って他にあるんだろうかと。そう考えたときに、高齢化社会に向けて医療関連の資格を取得すれば、これから需要があるのではと思い、通信教育で医療事務の資格を取るために勉強を始めました。それで資格が取れたタイミングで大学病院に正社員として転職したんです。

  • ――会社は突然の転職に驚いたでしょうね。

    驚かれましたけど、みんな私の性格を理解していたので「夏澄が言い出したら、もう何を言っても引き留められない」という感じで認めてもらいました。上司や同僚からは「いつでも戻ってきていいから」と言われて大号泣でしたね。

  • ――業務や会社への不満ではなく、将来の不安から転職したのですね。外資のアパレルから大学病院の医療事務ではまったく環境が異なると思いますが、戸惑いはなかったですか?

    ありました。1日3000人以上の患者さんが来院する病院だったので、とにかく忙しい。会計受付やレセプト、検査予約などを担当していましたが1日中、大忙しという感じでした。以前は外資だったこともあり残業は一切なかったのですが、ここではみんな残業代が欲しいがために日中、ダラダラ仕事をしている感じがありそれがすごく嫌で。その中でも、「もっとこうすれば仕事が効率化できる」と積極的に上司に意見していて、少しずつ改善は見られていたのですが、勤務して2年目に派遣会社が変わって、派遣スタッフが一斉に入れ替えになってしまったんです。これまで築いてきた関係が一気にゼロになり、いわば更地状態。ここから、新しいスタッフと関係を構築して耕すほどのやる気はありませんでした。

  • ――それは仕事に対してそこまでやる気を持てなかった…ということでしょうか。

    今後を見据えての転職ではありましたが、何しろ、現場が大好きなマグロなので(笑)、日々ルーティンワークの事務作業が私には向いていなかったようです。閃いたら猪突猛進ですから、やってみて初めてわかることばかりで。

    女性 転職
  • ――でも、やらないとわからないですから。吉川さんのようなまっすぐな性格、羨ましくなります。

    その分、失敗もいろいろありますけれど(笑)。今の会社に入社したのも勢いですし。

■出会いと勢いで広告業界に飛び込んだ

  • ――神谷製作所に入社したきっかけは?

    医療事務時代に知人から代表の神谷を紹介されて話す機会があったんです。そこでいろいろなことを話していたらなぜか「ウチに来てみない」と誘いを受けて、私も広告業界やPRの世界が興味深かったので直感的に即「行きます!」と。ただ「PRって何をするの?」という状態で入社しているので、まずは上司から頼まれた調べものをしたりとお手伝い中心。手伝いながらPRプロモーターの仕事を手伝うようになり、試行錯誤を繰り返し、理解していった感じですね。そのうちPRプロモーターをメインでやらないかと言われて肩書が定まりました(笑)。

    女性 PRプロモーター
  • ――吉川さんのお話を聞いていると、転職は直観と勢いで動いていいんだとしみじみ思います。もちろん、転職後の努力は人一倍されていると思いますが、フットワークの軽さが吉と出ている気がして。

    知らない世界を知ることが好きなんです。やったことのない場所へどんどん行ってみたくて。だからPRの仕事もとにかく学ぶことから始めて、先輩たちの横について何をやっているか見て、盗んで、それを実行して。

  • ――PRは誰しも聞いたことがある職種ですが、具体的に何をしているかがわからないのが正直なところでして。具体的に仕事の内容を教えてください。

    商品やサービスをより多くの人に知ってもらえるよう働きかける仕事です。私の担当しているPRプロモーターの主な業務はテレビ、Web、雑誌などのメディアにクライアントの商材を扱ってもらえるよう説明すること。1日のほとんどをメディア関係の方たちに電話やメールで連絡をとって、アポが取れたら商材の説明をしにいく時間に費やしています。1日、大体30~50件ぐらい電話をして、2~3件会いに行けたらいいかなと。

  • ――聞いただけで忙しそうなのがわかりました! そんな多忙の中でどんなときに仕事の楽しさを感じますか?

    担当する案件がテレビで放送されたり、雑誌やWebで掲載がとれたときですね。心から「やった!!」と思えます。最近ではこちらから声をかけるだけでなく、メディアの方たちから「こういうものを探しているんだけど、吉川さん何か持っていない?」と聞かれることも増えてきて、きちんとリレーションを築けているなと感じるときも嬉しいですね。

    女性 PR

■PRはリレーションが命。そのためにも相手の話を聞くことが大切

  • ――これまでに印象に残っている仕事があれば教えてください。

    以前、アンドロイドに関わる案件を担当しました。このPRがアンドロイドを開発した研究チームの紹介ではなく、研究チームをサポートする企業を紹介するというもので。どうメディア露出すればいいのかをかなり悩んで苦戦していました。そんなとき、テレビ局の方から「吉川さんの案件で何かやりたいんだけど」という連絡があり、この案件を説明したところ興味を示してくれて、夜の情報番組で長尺で扱ってもらえたんです。このときは弊社の連絡ツールがパンクしそうなほど盛り上がりました。

  • ――それは、これまでの吉川さんの信頼の積み重ねですよね。メディア側も吉川さんだったら自分たちが求めるものを出してくれるはず、という期待と信頼があるから連絡したのでしょうから。

    そのときに言われたのは「いつも吉川さんにお世話になっているから、神谷製作所の案件を出したいと思った」という言葉。この方とは私がPRの仕事を始めたばかりの頃からのお付き合いで「まだ始めたばかりなんですが、いろいろ相談させてください」と正直に伝えて、こまめに連絡したり会いに行ったりして少しずつ関係性を築いていった方だったので。

  • ――関係性を築くために心掛けていることはありますか?

    相手の話をよく聞くことです。この媒体では今、何を求めているのかをしっかりヒアリングして理解し、共通点を見つけながら媒体の方向性にあった案件を説明するようにしています。PRは営業ではありません。売り込むのではなくて、こちらの説明に相手が納得したうえで商材を使ってもらういわばWin-Winの関係性が重要なので。でも、話を聞いていくうちに「この人をもっと知りたい!どんどん攻略したい!」という気持ちになるんですよね。

  • ――アパレル時代から「人の話を聞くのが好き」とおっしゃっていましたけど、吉川さんの仕事のベースはそこにあるのかもしれませんね。

    そうだと思います。やっぱり現場で人の話を聞きながらクルクル動き回っているのが好きなんです(笑)。

    女性 キャリア
  • ――吉川さんは現在独身ですが、今後の人生のキャリアとして考えていることはありますか?

    結婚はもらってくれる人がいればしたいですし(笑)、そこで子どもを授かれるのであれば育てたい。でも、正直に言うと、人生はなるようになると思っていて。今という瞬間を後悔なく生きるかが一番大切だと考えています。だから今は仕事が一番かな。もちろん、楽しいときばかりじゃないですし、夜中までパソコンの前に張り付いて仕事が進まないときは、パソコンをへし折ってどこかへ飛び出したいと思いますよ(笑)。でも、そんな辛いときがあるからこそ、喜びも大きいわけですし。波があるからこそ仕事は楽しいなと感じるんです。あ! 人生のキャリアで決めていることがひとつあります。定年後は海女になる!

  • ――海女ですか!!

    幼い頃から海が好きで、今もまとまった休みがとれたら必ずスキューバーダイビングに行ってるんです。この夏休みは宮古島に行ってきました。だから、海女になるのは幼い頃からの夢で。これだけは私のキャリアに外せないですね。

    女性 スキューバダイビング

■ワタシのシゴト道具

  • Kobe INK物語は神戸の景色をテーマにした万年筆インク。仕事で携わったのをきっかけに万年筆の魅力に目覚めた。日々増え続ける名刺入れも必需品。1ヵ月で200枚以上増えることも。キティちゃんのブランケットはPC作業が続くときに、丸めて背中にあてて腰痛防止にしているそう。

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  • キティちゃん ブランケット
  • ワタシとシゴト年表

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