ファイナンシャルプランナーに聞く、はじめての積立投資「私にもできますか?」
ファイナンシャルプランナーに聞く、はじめての積立投資「私にもできますか?」
公開日 2019/07/19
更新日 2019/07/19

ファイナンシャルプランナーに聞く、はじめての積立投資「私にもできますか?」

積立投資をご存じですか?積立投資は、これから資産形成を始める現役世代にとって、ぴったりな運用方法といえます。でも一方で、「なんだか難しそう」、「何をどうしていいかわからない」……、という声も多く耳にします。そもそも積立投資とはどのような投資方法なのか?どのようなメリットがあり、何に気を付けなければいけないのか?シミュレーション結果もお見せしつつ、まだ一歩を踏み出せていないあなたのために、積立投資のイロハについて順を追ってお話ししていきましょう。

個人の資産運用で最も大切なこととは?

  • あなたにとって資産運用とはなんですか?なぜ運用をしようと思うのですか?積立投資の話に入る前に、個人の資産形成・資産運用において最も大切なお話しをしましょう。

  • 資産運用とは、自分の夢や目標など、ライフプランを実現するための一つの手段でしかありません。

  • お金は貯めることが目的ではなく、貯めてどのように使っていくのか、ここがとても大切ですよね。もし、今はまだよくわからないという方は、「将来豊かに暮らすため」「将来のお金の不安をなくすため」というものでも構いません。あなたにとって豊かに暮らすとはどのような暮らしですか?お金の不安がなくなった状態とはどのような状態ですか?今は漠然としたイメージしかないかもしれませんが、ぜひそれを少しずつ具体的なものにしていってください。具体的なイメージを持てば持つほど、資産運用は成功していきます。

  • 資産形成の一手段として行う資産運用は、長期投資が前提となります。世界経済の成長に乗り、お金にも働いてもらいましょう、という考え方になります。よって、短期的な価格変動に一喜一憂しないこと、そして運用を続けていくこと、これが個人の資産運用を成功に導く重要なカギとなるのです。

  • まずはこの点を理解していただいたうえで、積立投資のお話に入っていきましょう。

積立投資とは?

  • 積立投資とは、文字どおり、毎月一定額をコツコツと積み立てていく投資方法をいいます。例えば毎月1万円ずつAという金融商品を購入していく、という方法です。

  • Aという商品を毎月1万円ずつ購入していくと、どのようなことが起こるでしょうか?運用商品は毎日価格が上がったり下がったりしていますよね。1万円ずつ定額で購入していくと、商品Aの価格が高いときには購入できる量は少なくなり、商品Aの価格が安いときには購入できる量は多くなります。つまり、価格が高いときには少しの量を、価格が安いときには多くの量をコツコツ毎月購入していく、これが積立投資というものなのです。

  • 「いつ始めていいかわからない」という声もよくお聞きします。もし迷っているのであれば、始めようと思ったときに始めるのが良いと思います。「時間を味方につける(このことについては後ほどお話ししますね)」には早く始めた方がよいのです。

  • 積立投資は投資する時期を分ける投資手法でもあります。これを時間の分散ともいいます。時間の分散を行うと、始めたときにもし価格が高く、その後価格が下がってしまったとしても、下がった価格でも購入していくので、平均取得価額は平均化されていきます。つまり、最初の購入価格の影響は、積み立てをすればするほど小さくなっていくのです。しかも、価格が安いときには多くの量を買っているため、価格が少し戻っただけで大きなリターンを得られる可能性が高くなります。

  • 始めようと思ったときに始めること、そして、積み立てし続けること、これが積立投資の重要なポイントです。

積立投資のメリット・デメリットは?

  • メリット1:少額から始められる

  • 投資をするには、「ある程度大きな資産を作ってからでなければいけない」と考えている人もいるかもしれません。しかし、そんなことを言っていてはいつまでも始められません。大きな資産を作るための1つの方法として、積立投資はとても適した資産形成手段といえます。

     

    でも、何をするにも最初は不安ですよね。それなら例えば最初は、「飲み会1回分の金額を投資してみる」というのはいかがでしょう?毎月3,000円でも5,000円でも構いません。そして、慣れてきたら少しずつ積立額を増やしていけばよいのです。

  • メリット2:自動的にできるので手間がかからない

    最初は証券口座を開いたり、運用する金融商品を決めたりとやることがたくさんあるものの、一度設定をしてしまえば、しばらくほったらかしでも構いません。銀行の預金口座から毎月自動的に資金を振り替えてくれるサービスを利用すれば、入金の手間もありません。始めてしまえば、自動的に資産が積み上がっていくということです。現役世代は毎月入ってくる収入の一部を積立投資に回すことで、毎月確実に資産を積み上げていくことができます。

  • 自動的という点では、積立型の預貯金と同じ効果ともいえます。しかし、現在は預貯金ではほとんど利息はつきません。一方、積立投資の場合は積立金額に対して運用利回りを得ることができます。「積立金額+運用利回り」で資産を積み上げていく、これが積立投資なのです。

  • 始めたら半年または年に1回程度、自分の資産状況をチェックするだけ。相場を気にしたり、商品の値動きに一喜一憂したりする必要は全くありません。積立投資は、始めてしまえばあとは意外と楽チンなのです。

  • メリット3:時間をかければ毎月の負担が少なくても大きな資産を築くことができる

    一つ例をみてみましょう。運用利回りを年3%(運用の結果として前年より資産が毎年3%増える)と仮定し、60歳までに1,000万円を作りたいと思ったとします。あなたが50歳だとしたら、このプランを達成するためには10年間(積立120回)しかありませんから、毎月7.1万円を積み立ていかなければなりません。一方、あなたが30歳であれば、30年間(積立360回)の時間があるので、毎月1.7万円を積み立てていけばよいことになります。このように目標までの時間があれば、毎月の積立額の負担はとても小さくなります。そして、もしも余裕があり、毎月の積立額を2万円、3万円と増やすことができれば、60歳時点でもっと大きな資産を築くこともできます。時間を味方につければ、少ない資金でも大きく育てることができる、それが積立投資なのです。

  • デメリット:資産家にとっては非効率な運用になる

  • 1) すでに現時点で多くの資産を持っている人にとっては非効率な投資方法、ということです。何千万円も持っている方にとっては、毎月数万円ずつ積立投資をしたとしても、運用をせずに遊ばせている資金が大きいため、得られたかもしれないリターンを取り損ねてしまうというデメリットが生じてしまいます。

  • 2) 相場によっては、積立投資よりも、最初に一括で投資した場合の方がリターンが大きくなることがある、ということです。例えば、商品がずっと右肩上がりで上昇したら、最初にたくさんの金額を投資していた方が、毎月少しずつ投資するよりもリターンは大きくなりますよね。しかし、運用商品の値動きを予測することは不可能です。これはあくまでも結果論ということになります。

積立投資にはどのような方法があるの?何で積み立てればよいの?

  • iDeCoや「つみたてNISA」を活用しよう

  • 積立投資をやるなら、まずは税制優遇のあるiDeCoやつみたてNISAで始めるのがよいでしょう。通常であれば利益に対して20.315%課税されるところが、どちらも非課税になるため、とてもお得です。また、iDeCoに関しては毎月に積立額を全額所得から差し引くことができるので、所得税等の節税にもなります。ただし、iDeCoは積立金額を60歳まで引き出せないため、その点は注意が必要です。

  • バランス型の投資信託を活用しよう

    どのような商品で積立投資をすべきかも悩みますよね。投資初心者は手数料の安いバランス型の投資信託を1本選んで積み立てていくことをお勧めします。バランス型の投資信託とは1つの商品の中に国内債券、国内株式、外国債券、外国株式など、数種類の資産が含まれているものをいいます。1つ買うだけで、いくつかの資産に自動的に分散投資をしていることになります。

日本と米国の株式市場に積立投資をしていたら?

  • 日本株式の場合

    最後に一つシミュレーションをしてみましょう。日経平均株価の最高値は、1989年12月29日の3万8,915.87円でした。では、この最高値の日から日経平均株価に毎月1万円ずつ積立投資をしていたら、今どのような結果になっているのでしょうか?

  • 結果は……?

  • 2019年5月末時点の損益は、投資総額354万円に対して約149万円のプラスです。総額で約503万円になっていることになります。

  • 日本の株式市場は、バブル崩壊後20年近くずっと低迷しており、2012年頃から少しずつ持ち直してきています。2019年5月末時点の日経平均株価は2万601.19円でした。それでも最高値の4万円弱からみると、まだ半分ちょっとしか価格は戻っていません。しかし、それでも積立投資をしていた場合は、約149万円のプラスなのです。

  • 米国株式の場合

    ではもう一つ見てみましょう。もし米国株式市場(ダウ平均)に同じように1989年12月末から毎月1万円ずつ投資をしていたら、どうなっているのでしょうか?

  • 結果は……?

  • 2019年5月末時点の損益は、投資総額は354万円に対して約766万円のプラスです。なんと総額で約1,120万円にもなっていることになります。

  • 積立投資は魔法の投資方法ではありません。しかし、現役世代が少しずつ資産形成していく方法としては、とても適した投資手法ではないでしょうか?

  • 日本と米国の株式市場に積立投資をしていたら
  • 積立投資は、毎月一定額をコツコツと積み立てていく投資手法です。金融商品の価格が高いときには少しの量を、安いときにはたくさんの量を購入していくため、少額でも長く続けていけば大きな資産を作ることができます。値動きに一喜一憂せず、時間を味方につけて、長期で運用を続けていくことが大切です。iDeCoやつみたてNISAなど税制優遇のある制度を利用してもいいですね。これから資産形成をしていく現役世代にぴったりな運用方法といえるでしょう。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2019年6月18日時点のものです

  • 工藤 清美(ファイナンシャルプランナー(CFP(R))、1級FP技能士、ファイナンスMBA)

    監修者プロフィール 工藤 清美(ファイナンシャルプランナー(CFP(R))、1級FP技能士、ファイナンスMBA)
    相談業を中心に活動。金融商品の販売ではなく、お客様ファーストを第一にコンサルティングを提供する。米国に毎年視察に行き、最先端のノウハウを吸収。信頼できる士業などと一緒に資産運用や相続対策などの実行支援を行っている。

    監修:株式会社プラチナ・コンシェルジュ

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