派遣社員やパート・アルバイトの人ほど大事!個人型確定拠出年金「iDeCo」の基本、教えます
派遣社員やパート・アルバイトの人ほど大事!個人型確定拠出年金「iDeCo」の基本、教えます

2019/04/25

派遣社員やパート・アルバイトの人ほど大事!個人型確定拠出年金「iDeCo」の基本、教えます

将来の年金が減るといわれる中、老後資金づくりは現役世代にとって大きな課題。特に派遣社員やパート・アルバイトとして働く人にとっては、不安定になりがちな収入から老後資金を積み立てていける、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」は、大きな味方に。では、実際どんな風におトクで、どうやって積み立てればいいのでしょう。改めて、ポイントをまとめます。

監修:加倉井 慎(ファイナンシャルプランナー)、取材・文:江尻 亜由子

60歳まで税金が安く。早く始めるほうがお得!

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、自分で年金を増やすための制度。毎月一定額を積み立てて投資信託や定期預金などの金融商品を購入していくことで、積み立て中の所得税・住民税や60歳以降に受け取れる運用益にかかる税金がおトクになります。その内容を、詳しくみて行きましょう。

まず、始めるための資格は?

  • ・20歳以上、60歳未満であること

    ・国民年金や厚生年金などの公的年金に加入していること

    ・国民年金保険料の未納や猶予状況がないこと

    ・日本国内に住んでいること

    ・企業型年金に加入している会社員は、その会社がiDeCoへの加入も認めていること

  • 「iDeCoは公的年金に上乗せする制度なので、国民年金保険料が未納の場合は始められません。学生納付特例制度により保険料納付を猶予されている学生も、資格はありません。ただ、それらの方も保険料を収められるようになったら即座にiDeCoへの加入が認められます。パート・アルバイトの方は、ご自身の納付状況を確認しましょう。派遣社員の方なら国民年金保険料は天引きされるので、働いていない時期の未納分を調べてみてください」(加倉井 慎さん・以下同)

基本的な方法は?

  • iDeCo専用口座に毎月一定額を積み立て、指定した金融商品を購入していきます。

  • 用意するものiDeCo専用口座
    積み立て購入できるのは?「元本保証の定期預金」「保険」「投資信託」
    積み立ては何歳までできる?60歳まで
    休止できる?手続きをすれば、いつでも休止・再開が可能
    運用商品・資金配分の変更は?いつでも変更可能
    資金の引き出しは?原則的に60歳以降
    運用は何歳まで?70歳までは引き出さずに運用が可能

  • 「まず必要なのは、専用口座の開設です。金融機関によって扱う金融商品が違うので、積み立てたい投資信託などを先に考えてから、それを扱う金融機関に口座開設を。金融商品と口座開設機関の選び方については、下で説明します」

iDeCoのメリットとは?

  • ・60歳までの積み立て期間中は、掛け金に応じて所得税や住民税が安くなる

    ・運用で得られた利益には、通常だと約20%かかる税金が非課税になる

    ・60歳以降にお金を受け取る際、一時金としてまとめて受け取ると「退職所得控除」が受けられて、税金がお得に

    (iDeCo加入期間20年まで×40万円(=最大800万円)+iDeCo加入期間21年〜30年まで×70万円(=最大700万円)の枠内=30年間加入なら1500万円までは非課税に)

    ・60歳以降にお金を受け取る際、年金形式で何年かに分けて受け取る場合は「公的年金等控除」で税金がややお得に

  • 「たとえば30歳独身の派遣社員で年収300万円の場合、毎月1万円積み立てるだけでも所得税・住民税の合計で年に1万8000円、30年間で合計54万円の税金が戻ってきます。パート・アルバイトや派遣社員の方も一定額以上の月給があれば所得税は天引きされていますから、手続きで少しでもお金が戻るのはお得だと思います」

  • これは預金利息が年0.001%など低金利の今、年間12万円の積み立てで約1万8000円の利子がつくのと同じ。掛け金が増えれば、より税金がお得になります。無理のない範囲で、活用したいところです。

iDeCoのデメリットとは?

  • ・原則60歳まで引き出せない

    ・iDeCo専用口座には、毎年数千円の口座管理手数料がかかる

    ・60歳になる前に死亡した場合は、積み立て分が遺族に一時金(一括)で支払われ、相続税がかかる

  • 「現在は60歳まで引き出せない設定ですが、これは年金受給年齢が上がれば65歳まで、70歳まで…と変わる可能性もあり、そこは充分に注意が必要です。ただ逆に、引き出せないのは老後資金づくりのためにはメリット、という考え方も。また積み立て金額が払えなくなったら一時的に休止できますが、その間も口座管理手数料がかかり、所得税・住民税控除のメリットが受けられなくなるので、一度始めたら、少しずつでも積み立てを続けるほうが有利ではあります」

積み立てられる金額は?

  • 1カ月の積み立て上限額は、働き方ごとに決められています。

  • フリーランス6万8000円
    専業主婦(主夫)2万3000円
    公務員1万2000円
    厚生年金加入の会社員
     (勤務先に企業年金がない)2万3000円
     (勤務先に企業型確定拠出年金のみがある)2万円
     (勤務先に確定給付型企業年金がある)1万2000円
      (勤務先に企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金がある)1万2000円

  • 「毎月の最低積み立て金額は、5000円。そこから1000円単位で、上記の上限金額まで設定できます」

iDeCo専用口座の開設でチェックすべきこと

  • iDeCoを始めるためには、まず専用口座の開設が必要です。ただし、金融機関によって扱う金融商品や料金が違うので要注意。選ぶ際のチェックポイントは、以下のとおり。

  • ・どんな金融商品が揃っているか

    iDeCoで積み立てたお金で購入できるのは、「定期預金」「保険」「投資信託」の3種。3種それぞれ、金融機関によって扱っているものとないものがあるので、購入したい商品がある金融機関をえらびましょう。特に投資信託の場合、運用中の手数料となる「信託報酬」が安い投信が豊富なところを。

  • ・口座管理手数料が安いところ

    口座を持っているだけでかかる、口座管理手数料。金融機関により1ヶ月に100円台〜600円台と幅があるので、30年間を考えると大きな差に。

  • ・相談窓口の充実度合い

    直接相談して設定や商品選びをしたいという人は、相談窓口が充実しているところを。ただ、充実していると口座管理手数料は高くなりがちです。

  • 「よくわからないと窓口で相談したくなりますが、金融機関が勧める商品は、売る側にメリットのある手数料が高いものである場合も。なるべく自分で情報収集して、取扱商品が豊富で口座管理手数料が安いネット証券で口座開設するのがおすすめです」

  • ※口座開設ができる金融機関は、iDeCo公式サイト内「運営管理機関一覧」で探せます。

iDeCoの積み立てでは、何を購入すべき?

  • iDeCoで最大の節税メリットは、運用益が出た場合に通常だと課税される約20%が、非課税となること。投資初心者は元本保証にこだわって定期預金などで手堅く積み立てたくなりますが、それだとこの制度の利点を生かせません。

  • ほとんど利息がつかない定期預金は、10年20年の長いスパンで世界全体がゆるやかにインフレを続けると、実質的には目減りすることに。世界の株価や債券に分散して連動するタイプの投資信託のほうが、長い年月をかければ値上がりが期待できます。

  • 「定期預金をしたいなら、iDeCoではなく引き出しやすい一般定期預金に。投資信託も値下がりリスクはありますが、60歳時点で元本割れしていたら、70歳まで運用を続けて値上がりしたタイミングで受け取りすることも可能です」

  • ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん

    お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん
    医療用医薬品商社での営業職を経て、外資系金融機関へ転職しファイナンシャルプランナーに転身。家計の見直し、保険相談、不動産売買のアドバイス、住宅ローンなどの相談を受け、年間400世帯以上、累計2000世帯以上にアドバイス。大手金融機関の年間表彰に、3年連続入賞中。
    お客様に寄り添うアドバイスで、「一家に一人、加倉井を」という存在を目指して活動中。

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