雇用と収入の安定を手に入れられる派遣スタイル!「無期雇用派遣」って、いったい何ですか?
雇用と収入の安定を手に入れられる派遣スタイル!「無期雇用派遣」って、いったい何ですか?
公開日 2019/04/25
更新日 2019/04/25

雇用と収入の安定を手に入れられる派遣スタイル!「無期雇用派遣」って、いったい何ですか?

派遣社員で働けるのは3年までという「3年ルール」の誕生によって、注目が高まりつつある「無期雇用派遣」という働き方。
いったいどんな派遣スタイルで、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょう。
「派遣」と「社員」の働き方のいいところを集約させた働き方と言われる、「無期雇用派遣」の基礎知識を紹介します。

監修:水野 順子(キャリアカウンセラー) 取材・文:佐野勝大

一般的な派遣スタイルと「無期雇用派遣」の違い

  • 一般的に、「派遣」に対して雇用期間が決められている働き方というイメージを抱いている人が多いでしょう。ところが実は、雇用期間に関する縛りがない「無期雇用派遣」という働き方が存在します。同じ会社・同じ部署では最長3年までしか働けない、いわゆる派遣社員の「3年ルール」を回避できるとあって、注目度が高まっている派遣スタイルなのです。

  • では、「無期雇用派遣」とはいったいどのような働き方なのでしょう。「女性とキャリア研究所」のキャリアカウンセラーである水野順子さんに、一般的な派遣スタイルとの違いについて解説してもらいました。

  • 「派遣社員には、大きく分けて2つの働き方があります。ひとつが、派遣先に派遣されている期間のみ契約を結ぶ有期雇用の『登録型派遣』。多くの人が「派遣」と聞いて思い浮かべる、メジャーな派遣スタイルです。もうひとつが、契約期間を設けずに派遣社員として働く『常用型派遣』。これが『無期雇用派遣』と呼ばれているものです」(水野 順子さん/以下同)

  • 「登録型派遣」は派遣先への勤務がスタートした時点で派遣会社との雇用契約が発生し、派遣先で働く期間が終了したら雇用契約も終了します。いっぽう、「無期雇用派遣」は派遣会社に採用された時点で雇用契約が発生し、派遣先での就業期間が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続。この点が、両者の大きな違いだと言えるでしょう。

「無期雇用派遣」のメリット・デメリット

  • 「無期雇用派遣」を一言で説明すると、派遣社員でありながら社員のように雇用が保証されている派遣スタイルのこと。では具体的に、どんなメリットがあるのでしょう。

  • 「一番のメリットは、収入が安定すること。『登録型派遣』と違って、派遣先が決まっていない待機期間中でも収入を得ることができます。また、『登録型派遣』は時給制ですが、『無期雇用派遣』は基本的に月給制。1ヵ月の勤務日数や勤務時間によって収入が変動することがなく、一定の収入を得られるのも魅力でしょう」

  • 水野さんによると、「無期雇用派遣」の魅力は、雇用や収入の安定だけではないそうです。スキルアップや長期的なキャリア形成を目指すうえでも、魅力的な働き方なのだとか。

  • 「『3年ルール』の縛りがないので、3年間でキャリアが途絶えてしまうということがありません。同じ職場、職種で継続的に働けるのでスキルアップしやすく、長期的なキャリア形成もしやすいでしょう」

  • 【「無期雇用派遣」のメリット】

    ◆雇用が保証されている

    ◆収入が安定する

    ◆スキルアップや長期的なキャリア形成がしやすい

  • ただ、「無期雇用派遣」という働き方はメリットばかりではありません。水野さんによると、安定雇用を手に入れられる代わりに、派遣社員ならではの自由度は低くなると言います。

  • 「派遣会社に雇用されている立場なので、自分で働きたい会社や場所を選ぶことが難しくなるでしょう。また、気軽に勤務先を変更しづらくなるほか、限られた期間だけ働くということもできなくなります」

  • そのほか、登録さえしていけば仕事を紹介してもらえる「登録型派遣」とは異なり、派遣会社による選考があるなど、採用時のハードルがやや高くなるそうです。

  • 【「無期雇用派遣」のデメリット】

    ◆働きたい会社や場所を選ぶことが難しい

    ◆勤務先の変更がしづらい

    ◆限られた期間だけ働くということができない

    ◆選考があるなど採用のハードルが高くなる

「登録型派遣」から「無期雇用派遣」へ切り替えが可能

  • すでに「登録型派遣」として働いている方のなかには、「『無期雇用派遣』に切り替えたい」と思っている人もいるでしょう。そんな方も、現在の派遣会社で『無期雇用派遣』として働ける可能性があります。

  • 「ひとつが、2013年に行われた労働契約法の改正で誕生した、『5年ルール』に当てはまるケースです。同じ企業と契約しており、有期雇用契約が通算5年を超えていて、なおかつ1回以上更新をしている人は、無期契約に転換できるというもの。わかりやすく言うと、ひとつの派遣会社への在籍期間が5年以上になった際、申し出をすれば『無期雇用派遣』へ切り替えることができるのです。ちなみに、企業側は基本的にその申し出を断ることはできません」

  • もうひとつが、前出の「3年ルール」に当てはまるケース。同じ派遣先に3年間勤めた場合、「派遣先での業務終了」「派遣先での直接雇用」「派遣元で無期雇用」のいずれかになるため、絶対ではありませんが「無期雇用派遣」として働ける可能性があるでしょう。

  • ちなみに、非常にややこしいのですが、同じ企業で働ける期間を定めた「5年ルール」と、同じ派遣先で派遣社員として働ける期間を定めた「3年ルール」はまったくの別物。現在、「登録型派遣」として働いている方で「無期雇用派遣」に興味がある方は、自身がどのタイミングでそれぞれのルールの対象になるのかを確認しておくといいでしょう。

「無期雇用派遣」に向いているタイプ

  • 「無期雇用派遣」は、「派遣」と「社員」の働き方のいいところを集約させた働き方。ただ、その派遣スタイルが自分の仕事に対する価値観や志向と合わなければ台ナシになってしまいます。そこで最後に、「無期雇用派遣」に向いているタイプについて教えてもらいました。

  • 「派遣として働きながらも安定を手に入れたい方や、同じ職場で長く働き続けたい方、同じ仕事でキャリアを磨いていきたい方に最適です。また、雇用形態にこだわりがない方にも、ふさわしい働き方だと思います」

  • 【「無期雇用派遣」に向いている人】

    ◆安定した収入がほしい方

    ◆同じ職場で長く活躍したい方

    ◆同じ仕事でスキルアップしていきたい方

    ◆雇用形態にはいっさいこだわらない方

  • そのほか、「年齢とともにお仕事紹介の件数が減っていく…」「いつ雇い止めに合うかわからない…」といった将来の不安から解消されるのも、「無期雇用派遣」の大きな魅力ポイント。これから派遣社員として働いてみたい方や、一生派遣という働き方を続けたい方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

  • 水野 順子さん

    お話を伺ったのはこの方 水野 順子さん
    キャリアコレクション代表取締役。「女性とキャリア研究所」主宰。女性のキャリア開発の専門家として、これまでに2万人以上のカウンセリングや、6万人以上へのキャリア研修・講演を行ってきた。『All About』女性のキャリアプラン・女性の転職ガイドとしても活躍している。著書に『3分で感情をリセットする心の整理手帳』(クロスメディア・パブリッシング)など。

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