いますぐ給与明細をチェック!天引きされる所得税のしくみ
いますぐ給与明細をチェック!天引きされる所得税のしくみ

2018/08/23

いますぐ給与明細をチェック!天引きされる所得税のしくみ

会社員のなかには、毎月の給与から天引きされる所得税のことを意識していない人も多いよう。
そこで、今さら聞けない所得税の仕組みについて、プロに話を伺いました。
給与から天引きされる所得税にしっかり目を向けることが、
家計の見直しにもつながるでしょう。

監修:戎 欽也(税理士&中小企業診断士) 取材・文:佐野勝大

所得税額は、収入(給与)で決まるのではなかった!

  • 毎月会社からもらう給与支払明細に目を通すと、さまざまなお金が天引きされていることがわかります。厚生年金や健康保険料、介護保険料(満40歳以上)、雇用保険料は、説明しなくても多くの人が理解できているでしょう。ただ所得税については、実はよくわかっていない人が多いのではないでしょうか。そこで所得税の基本について、税理士で中小企業診断士の戎 欽也さんに話を伺いました。

  • 「所得税というのは、その名の通り所得に対して課される税金のことです。間違えてはいけないのは、所得=収入(給与)ではないということ。給与所得者には、みなし経費として年間65万円以上(年収に応じて決定)の『給与所得控除』が認められています。給与から、それを差し引いたものを所得といいます」

  • 所得税は、1月1日~12月31日までの1年間に得た所得に対して課税されるもの。ただし戎さんによると、厳密にはこの所得に税率がかけられて所得税額が決まるわけではないと言います。なんだかややこしいのですが、いったいどういうことなのでしょう。

  • 「個人的事情などを考慮して税負担を軽くするための、『所得控除』というものが存在します。対象となるのは、医療費や社会保険料、生命保険料、損害保険料、確定拠出年金など。所得税額は、所得から所得控除を引いた額で計算されるのです」

所得が上がるにつれて、所得税率は段階的に上昇!

  • 所得税額を算出する際には、「給与所得控除」「所得控除」が受けられるということはわかりました。では、具体的な所得税の金額はどのようにして決められるのでしょう。所得が高ければ高いほど、所得税の税率も高くなると聞いたことがあるのですが……。

  • 「はい、その通りです。超過累進課税方式といって、所得が上がるにつれて税率は段階的に高くなる仕組みになっています。国税庁のHPにある『所得税の速算表』を見れば、一目瞭然。たとえば、課税される所得金額が400万円の人の税率は、300万円の人の倍になります」

  • 所得税の速算表

      

    〈課税される所得金額〉〈税率〉〈控除額〉
    195万円以下5%0円
    195万円を超え330万円以下10%97,500円
    330万円を超え695万円以下20%427,500円
    695万円を超え900万円以下23%636,000円
    900万円を超え1,800万円以下33%1,536,000円
    1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
    4,000万円超45%4,796,000円

    出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

仕組みを理解しておけば、所得税を取り戻せるチャンスが大!?

  • 毎年、年末になると会社に提出しなければいけない年末調整のための書類。「面倒だから……」といって、スルーしている人もいるかもしれません。けれども戎さんによると、実は払いすぎた所得税を取り戻せる可能性がある重要なものなのだとか。

  • 「年末調整とは、所得税の過不足を調整する手続きのこと。実は、毎月給与から天引きされている所得税というのは、あくまで概算の金額なのです。ですから、1年間の正式な所得と所得控除額が判明する年末に所得税額を再計算。それによって、過不足の調整を行っているのです。前出の『所得控除』の手続きを行うのが、まさにこのタイミング。払いすぎた所得税を取り戻せるチャンスが大きいので、きちんと申請するようにしてください」

  • 年末調整による税金の還付の話からもわかるように、会社員でも所得税の仕組みをしっかり理解することが大切。毎月の給与から天引きされるお金への知識を得ておくことは、家計の見直しにもきっと役立つでしょう。

  • 税理士&中小企業診断士 戎 欽也さん

    お話を伺ったのはこの方 税理士&中小企業診断士 戎 欽也さん
    「えびす総合会計事務所」「株式会社えびすクラウド会計」代表。コーチングスキルを活かした経営会議支援を強みとして、これまでに約300社の企業経営をサポートしてきた。現在は、AIを活かしたクラウド会計の普及にも注力している。法人・個人の税務コンサルティングのほか、セミナー講師や執筆など幅広い分野で活躍中。

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