住宅ローンの繰り上げ返済、したほうが良い人、しない方が良い人の条件とは
住宅ローンの繰り上げ返済、したほうが良い人、しない方が良い人の条件とは

2018/06/11

住宅ローンの繰り上げ返済、したほうが良い人、しない方が良い人の条件とは

ボーナスを機に、住宅ローンの繰り上げ返済を考える人が多い時期。
利息額や支払い残高の大きさを考えると、少しでも早く返済したくなりますよね。
しかし住宅ローン控除とのバランスで、そのままのペースで返済したほうが良い場合も多いとか!?
2018年6月現在の金利状況から、繰り上げ返済したほうが良い人、しないほうが良い人の条件を見ていきましょう。

監修:加倉井 慎(ファイナンシャルプランナー)、取材・文:江尻亜由子

今は、繰り上げ返済しないほうがお得が多い!?

  • 2018年初夏の時点で、5年ものの変動金利は約0.5%、固定金利は約1.0%(いずれも適用金利)。現在住宅ローンを抱えている方のほとんどは、これに近い金利だと思います。

  • 一方で住宅ローンを抱えていると「住宅ローン控除」により、最大10年間、4000万円以内(2014年3月までの申請だと2000万円以内)であれば年末時点での住宅ローン残高1%分の税金を抑えることが可能。つまり、繰り上げ返済でローン残高が減ると、節税メリットが少なくなるという恐れがあります」(加倉井慎さん・以下同)

  • このことから、繰上げ返済すべきかどうかの条件は、以下のように。

  • 繰り上げ返済したほうが良い人の条件

    ●金利1%以上の条件で住宅ローンを組んでいる人

    ●ローン残高が4000万円を超える人

    ※2014年3月までに申請した場合は、2000万円を超える人

    ●ローン返済開始から10年以上経過した人

  • 「現在1%以上の金利でローンを組んでいる方は、普通に返済するよりは繰り上げ返済のほうが良い場合があります。しかしそれ以前に、1%未満の金利に借り換えすることでもっと有利になる場合もありますので、検討をおすすめします」

  • 繰り上げ返済しないほうが良い人の条件

    ●住宅ローン金利が1%未満の人

    ●車などをローンで購入する予定のある人

    ●資産運用ができる人

    ●団体信用生命保険(団信)を最大限利用したい人

  • 「借金は悪いものというイメージが強いですが、現在は低金利なうえに住宅ローン控除もあるので、必ずしも繰り上げ返済はプラスになりません。税控除のない車などでローンを組む予定がある場合は、繰り上げ返済にあてる資金をそちらへ回したり、現金で置いておいて教育費などに使うほうがメリットがある場合もあります。

  • また現在の住宅金利に比べると、株や投資信託などの運用利回りのほうが平均的には良いので、投資知識のある方なら運用に回すほうがプラスになる可能性が大きいです(投資にはリスクもあるので、マイナスになる場合もあります)。

  • さらに住宅ローンの返済期間中は団信に加入することになるため、基本的には死亡や高度障害、団信の種類によっては三大疾病などになったら住宅ローンの支払いが免除されます。何度も繰り上げ返済して、完済した1年後にご主人が亡くなったという方にお会いしたこともありますが、繰り上げ返済がなければ団信が使えたのに、ということもあるので、無理して繰り上げ返済する前に一度考慮してみましょう」

  • ※団体信用生命保険については、「住宅ローンで必須加入の団体信用生命保険。他の任意保険とのバランスはどう考える?」をご参照ください。

繰り上げ返済には2種。得られる効果により方法を選んで

  • そのうえで繰り上げ返済をする場合には、2種類の方法があります。

  • 方法1 利息をカットしたいなら「期間短縮型」

    ・毎月返済額は当初の返済額と変わらず、繰り上げ返済分、返済期間を短縮。

    (繰り上げ返済金額が少ないと短縮できない場合もあります)

    ・元金を減らしつつ返済額も同じペースなので、利息カットの効果が高くなります。

  • 方法2 手元資金を残したいなら「返済額軽減型」

    ・繰り上げ返済分を、毎月返済額の減額にあてる方法。返済期間は変更なし。

    ・将来の収入減(妻が仕事をやめるなど)や支出増(教育費など)に備え、毎月返済額の負担を減らせるのがメリット。

    ・利息カット効果は、方法1より低くなります。

  • 同じ金額を繰り上げ返済しても、「期間短縮型」と「返済額軽減型」で得られるメリットは違うので、将来のライフイベントを考えて方法を選びましょう。

  • 「繰り上げ返済のシミュレーションは、金融機関のサイトなどで行うこともできます。自分で調べるのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一案です」

  • ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん

    お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん
    医療用医薬品商社での営業職を経て、外資系金融機関へ転職しファイナンシャルプランナーに転身。家計の見直し、保険相談、不動産売買のアドバイス、住宅ローンなどの相談を受け、年間400世帯以上、累計2000世帯以上にアドバイス。大手金融機関の年間表彰に、3年連続入賞中。
    お客様に寄り添うアドバイスで、「一家に一人、加倉井を」という存在を目指して活動中。

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