

【シングル編】「こんなはずじゃ…」を防ぐ人生計画「ライフプランニング」とは?
女性の人生は、分岐点の連続。今の仕事はいつまで続ける?結婚や子供は?
…そんな大事な選択を場当たり的に行っていたら、将来は資産が尽きて、困ったことになる恐れが。
そこで取り入れたいのが、「ライフプランニング」。その考え方をご紹介します。
【シングル編】では、現在未婚で単身者世帯、自分の収入だけで人生に備えるパターンを考えます。結婚で2人分の収入が合算できる人生パターンは、【カップル編】をご参照ください。
現役時代と老後生活のバランスを、実感できるのが利点
「ライフプランニングとは、人生の計画表。自分の現時点から定年、老後の人生までを俯瞰し、お金の対策を考えるベースとなるものです。女性は特に、シングルでの収入か、結婚で夫婦の収入が合算できるか、により設計が変わります。人生に不測の事態はつきものですが、現時点での自分の資産や仕事などの状況と、一生の時間軸を把握することで、経済的に困らないような対策を考えることができます」(山口京子さん・以下同)
では、早速その方法を見ていきましょう。
今回は、現時点で30歳未婚、将来結婚する可能性はあるけれど、一生シングルの場合は…?というパターンで考えます。
1 自分に“残された時間”を知る
まず考えるべきは、時間軸。資産を増やしていける期間と、それを消費する老後期間の長さを把握します。
●現在の年齢から、仕事による収入がなくなる定年までの年数は?
→60歳でリタイアしたいので、30年
●定年から、自分が死亡するまでの年数は?
→女性の平均年齢で考えると、約30年
これで、現時点から定年までの30年間に、今後の人生約60年分の生活費(年金分を除く)を確保すべきことがわかります。
2 ライフイベントを想定する
次に考えるべきは、どんなライフイベント(人生の転機)が予想されるか。たとえば、以下のように考えるとします。
●今の仕事をいつまで続ける?
→スキルを生かし、より高給の会社へ転職したい
●家は賃貸?それとも購入?
→東京近郊に住宅を購入したい
●収入に関わる将来の夢は?
→ある程度資産ができたら、休職して長期旅行したい
●老後はどこで、どのように過ごしたい?
→購入した住宅で暮らしたい
●退職金はある?
→もらえる雇用形態のまま定年を迎えたい
「家については、親の持ち家がないなら自由に考えられますが、持ち家がある場合はいつか相続することを前提に、購入か賃貸かを検討しましょう」
3 資産の推移を考える
1、2から老後までのイメージ図を考えると、以下のようになります。
[ライフプランニングの一例(シングルの場合)]
(実際のライフイベントは、個人により異なります)
これをベースにライフイベントや老後にかかるお金を想定し、定年時点までにどれくらい資産残高があれば良いのかを考えていきます。その前提としてチェックしたいのが下記。
●30歳時点(現時点)での貯蓄額は?
●予想される年金の受給金額は?
その上で自分の収入や雇用形態、月々の生活費、老後の生活エリアなどから、毎月どれくらいの貯蓄が必要か、割り出します。
漠然と将来に不安を感じている方には、目標を“見える化”できることがまず一歩。
「シングルの場合、収入は1人分なのに、カップル世帯に比べて家賃や光熱費など様々なものが割高になりがち。それをふまえて、貯金だけでなく資産運用なども視野に入れ、自分の価値観に合った方法を選ぶことが大切です」
いずれにしても、貯蓄の目標額が決まれば、目先の浪費を抑えるモチベーションになるし、逆に老後を気にして現在を楽しむためのお金を使うことに罪悪感を感じることもなくなるはず。
「自分で細かい金額まで計算するのは手間がかかる上、収支の改善や投資方法のアイデアにも限界が。そんな時のために私たちのようなファイナンシャルプランナーがいますので、ご相談いただくのもひとつの方法です」
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お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 山口京子さん
フリーアナウンサーを経て、2000年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。お金のプロとしての活動をスタートする。保険に精通しており、生命保険・損害保険・少額短期保険募集人資格も所持。セミナーやテレビ・ラジオ出演、執筆、個別相談など幅広く活躍。『お金に泣かされないための100の法則』(主婦と生活社)をはじめ、著書多数。