派遣法の改正から、まもなく3年が経過!「3年ルール」の期限に向けて、今やるべきこと
派遣法の改正から、まもなく3年が経過!「3年ルール」の期限に向けて、今やるべきこと

2018/03/27

派遣法の改正から、まもなく3年が経過!「3年ルール」の期限に向けて、今やるべきこと

2015年9月の派遣法改正によって誕生した、派遣社員の「3年ルール」。
法改正後の3年後にあたる今年9月末に、最初の期限を迎えることになります。
このため労働契約の見直しを迫られる派遣社員が、続出しそうな予感。
そこで「3年ルール」のおさらいと同時に、今からやっておくべきことについて、
キャリアカウンセラーの水野順子さんに話を伺いました。

取材・文:佐野勝大、監修:水野順子(キャリアカウンセラー)

同じ会社の同じ部署で、派遣社員として働けるのは3年間が最長!

  • 2015年9月に、派遣法の改正案が成立しました。「派遣会社にとって影響があるだけで、派遣社員として働く私たちには関係ない」と思っていたら、大間違い。実は、働く側にも大きな影響があるのです。

  • 「派遣社員として働く人たちに深く関わってくるのが、『専門26業務と自由化業務の区分廃止』と、『個人単位の派遣期間は最長3年という期間制限の設定』でしょう。これまで、秘書や通訳、翻訳、速記、広告デザインなど専門性の高い26の仕事については、雇用期間の制限がありませんでした。ところが3年前の改正により、すべての業種や業務において、派遣社員が同じ会社の同じ部署で働けるのは最長3年に。これが、いわゆる『3年ルール』です。ただし、派遣元に無期雇用される派遣労働者、有期のプロジェクトに携わる派遣労働者、60歳以上の派遣労働者など、ルール適用外となるケースもあります」

  • 同じ部署で働けるのは最長3年ということなので、人事課で3年働いた後に経理課で働くなど、組織が変われば同じ会社に3年以上勤めることは可能なようです。ところが派遣法の改正にともない、事業単位の受入期間は原則3年という期間制限が誕生。会社が3年を超えて派遣社員を受け入れるには、社員の過半数で組織する労働組合などへの意見聴取が必要となるそうです。

派遣法の改正によって、派遣社員の選択肢が増加!

  • しかし、そもそもなぜ派遣法が改正されることになったのでしょう。厚生労働省によると、「派遣労働という働き方、およびその利用は、臨時的・一時的なものであることを原則にするという考え方のもと、常用代替を防止するとともに、派遣労働者のより一層の雇用の安定、キャリアアップを図るため」のよう。

  • 「実際、派遣法の改正によって派遣期間終了時の雇用安定措置が派遣会社に義務付けられました。具体的には、対象となる派遣社員に対して、派遣先への直接雇用の依頼や派遣会社での無期雇用、新たな派遣先の提供を行うか、安定した雇用の継続を図るために必要な措置を取らなければいけなくなったのです」

  • 派遣先企業への直接雇用か派遣会社での無期雇用が実現すれば、同じ派遣先で働き続けられるということ。つまり改正の目的どおり、より一層の雇用の安定が期待できるようになったのです。

  • 「ひとつの組織にとどまらず、3年ごとに新たなフィールドで活躍していくことで、自身の専門性やスキルを高めていくこともできます。いずれの道に進むにせよ、派遣社員の将来の選択肢が増えたことは心強いでしょう」

派遣法の改正を活かすも殺すも、結局は自分次第!

  • ただ派遣法の改正は、派遣社員にとっていいことばかりかと言えば、そうとは言い切れません。水野さんによると、「現在派遣されている企業で、同じ仕事をずっと続けていきたい」と思っていた人にとっては、逆にマイナスになってしまうと言います。

  • 「いくら派遣先と相思相愛であっても、現在の雇用形態のまま3年を超えて働くことはできません。たとえ、派遣会社を変更したとしても、同じ派遣先の同じ部署で働くことはNG。かといって、派遣先に直接雇用してもらえるかと言えば、コスト増につながることもあって、よほどのスキルでもない限り難しいのが現状でしょう」

  • つまり、派遣法の改正は雇用の安定やキャリアアップにつながるメリットと同時に、雇い止めのデメリットもはらんでいると言えるようです。法改正後の最初の期限を迎えるのは、今年9月末。そのときになって慌てないために、対象となる派遣社員が今やっておくべきことは何でしょう?

  • 「まず、今後どういう働き方をしたいかを考えてみてください。派遣社員のまま働き続けたいのか、正社員を目指したいのか、どんな条件で働きたいのかなど、自分の本音としっかり向き合いましょう。次に、派遣会社の担当営業やコンサルタントに相談すること。派遣先に直接雇用を希望するのであれば、可能性の有無にかかわらず派遣会社にその旨を伝えましょう。派遣社員のまま今の会社に勤め続けたい場合は、派遣会社に無期雇用の相談をしてみてください」

  • また、派遣先への直接雇用や派遣会社での無期雇用を希望しない場合は、今後は3年ごとに派遣先を変えていかなければいけません。そのため、自身のスキルをしっかり把握し、キチンと希望を伝えていくことが大事になるといいます。

  • 「どの道を選ぶにしても、より高いパフォーマンスを発揮できる存在になっておくことも重要。たとえば、いつもの仕事のスピードや正確性をさらに高める、『あなたでなければ無理』と思われるほど専門性を極める、などの努力をしてみてください。そうすることで、理想のキャリアを実現できるチャンスが広がっていくでしょう」

  • つまり、派遣法の改正を活かすも殺すも自分次第だということ。いざ3年の期限が迫ってきたときに慌てないよう、今からしっかり準備を進めておきましょう。

  • 【今年9月末に向けて今からやるべきこと】

  • ◆自分が今度どう働きたいかを考える

    └「派遣で働き続けたいのか?」「正社員を目指したいのか?」「どんな条件で働きたいのか?」etc.

  • ◆派遣会社の担当営業やコンサルタントに相談する

    └派遣先に直接雇用、派遣会社での無期雇用、新たな派遣先の紹介etc.

  • ◆今の仕事のパフォーマンスを高める

    └スピードや正確性の向上、専門性のさらなる追求etc.

  • キャリアカウンセラー 水野順子さん

    お話を伺ったのはこの方 キャリアカウンセラー 水野順子さん
    キャリアコレクション代表取締役。「女性とキャリア研究所」主宰。女性のキャリア開発の専門家として、これまでに2万人以上のカウンセリングや、6万人以上へのキャリア研修・講演を行ってきた。『AllAbout』女性のキャリアプラン・女性の転職ガイドとしても活躍している。著書に『3分で感情を整理する心の整理手帳』(クロスメディア・パブリッシング)など。

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