受診するのに宿泊費まで!?大きな病気にかかると、こんなにお金がかかる
受診するのに宿泊費まで!?大きな病気にかかると、こんなにお金がかかる

2018/01/18

受診するのに宿泊費まで!?大きな病気にかかると、こんなにお金がかかる

20代、30代の頃は多少無理しても体力で乗り切れるもの。
そのため自分が病気になることは想定していない人が多いようです。
しかし、ある日突然病気に…ということは誰にでもあり得ること。
そんな時に困るのが、お金の問題です。
そんな時の備え、しっかりできていますか?

取材・文:江尻亜由子、監修:加倉井慎(ファイナンシャルプランナー)

治療費だけじゃない、医療雑貨や交通費が予想外の負担に

  • 大きな病気にかかると、治療費がかかるのはもちろん、意外なところにいろいろなお金がかかるといわれます。「がん政策情報センター」が行った「がん患者意識調査2010年」によると、がん治療やその後遺症軽減のために最も費用がかかった1年間(1〜12月)に支払った金額の合計は、下のとおり。

  • 【1年間のがん治療にかかった費用】

    (高額療養費制度などを利用後の自己負担額)

    50万円未満 380人(26%)

    50〜100万円 317人(22%)

    100〜150万円 170人(12%)

    150〜200万円 63人(4%)

    200〜250万円 50人(4%)

    250〜300万円 31人(2%)

    300〜400万円 48人(3%)

    400〜500万円 17人(1%)

    500〜1000万円 26人(2%)

    1000〜2000万円 8人(0.6%)

    2000万円以上 1人(0.1%)

    無回答・無効回答 335人(23%)

    -------------------------------------

    合計人数  1446人 (四捨五入のため、%の合計値があわない場合があります)

  • かかった費用の平均 115万円

    (最高金額 2000万円)

  • 出典:がん政策情報センター「がん患者意識調査2010年」

    ※金額の刻み幅は実際の調査と変えて掲載しています

  • 上記の費用は、

    (A) 公的医療保険による3割負担など、自己負担分の医療費

    (高額療養費制度などで払い戻しを受けた金額を差し引いた金額)

    (B) 公的医療保険がきかない、自由診療・混合診療等の医療費

    (C) 健康食品などの代替医療での出費

    (D) その他

    を合計した金額を聞いたもの。

  • (A)は、検査費用、一部の抗がん剤、大部屋での入院や手術などの基本的な治療費用。保険証を持参すれば基本的な患者負担は3割となります。高額療養費制度によって、その3割負担の中でも一部の治療費は抑えられます。

    (B)は、公的医療保険ではカバーされない先進医療や未承認薬による治療費など。

    (C)は、健康食品やサプリメント、公的保険適用外の漢方薬などへの出費です。

    (D)は、交通費、宿泊費、医療雑貨、家事代行費用など。

  • 専門的な治療になればなるほど自宅近くの病院で治療が行えることは少なく、遠方の大きな病院までお金をかけて通うことに。体調が悪ければ、タクシーで片道数時間もの距離を通うこともあります。また治療法によっては全国数カ所でしか行えないものもあり、宿泊費用が必要になる場合も。

  • 抗がん剤で髪が抜ける際に使用するウィッグや、乳がんの際に使うシリコンパッドなどの医療雑貨もかかります。

  • 現在はなるべく入院期間を少なくする傾向があるため、退院後であっても体力が落ちていて食事の準備などが難しい時期には、外食や総菜代などで食費がかさんだり、掃除などの家事代行を依頼することも。これらの合計額が(D)となります。

医療の進歩はうれしいけれど、医療費は高額になる傾向

  • 上記の調査結果によると、1年間にかかった平均金額は115万円ですが、その中に含まれる(B)の金額は、年々増加する傾向に。現在は高額な先進医療による治療が増え、これは基本的に自己負担です。

  • たとえば「痛くないがん治療」として注目されている先進医療の「粒子線治療」。平成28年4月から、一部のがんでは公的医療保険制度の対象ですが、適用外になった場合の治療費は「重粒子線治療(技術料)」の平均が約309万円、「陽子線治療(技術料)」の平均が約264万円。これらが自己負担となります。

  • 医療研究が進む中、日本では未認可の治療法や海外の薬を使うことを一部認める動きもありますが、それらも高額になりがちな上、自己負担です。このようにいろいろな選択肢が広がる代わりに(B)の金額がふくらみ、治療費全体も高額化。調査結果で自己負担金額の合計が1000~2000万円という人が1%弱存在することは、注意しておきたい事実です。

  • そんな状況の中、治療が長引くと仕事を続けることが困難になることも充分にあり得ます。そうすると、ただでさえ病気でお金がかかる上、収入が減少したり断たれることもあるのです。

  • そのため、治療費を確保するために子どもの学資保険を取り崩す、ローンの支払いが難しくなり持ち家を手放す、親に借金をする…など、家族や近親者にも負担がかかることが考えられます。

  • さらに、調査の金額は公的医療保険制度により基本的な医療費が3割負担に抑えられた中でのものですが、その公的医療保険制度自体、いつまで存続できるかわからないという問題も指摘されています(※)。

  • ※詳しくは「保険証があれば3割負担、は限界に。長生き時代、公的医療保険制度が危ない!?」をご参照ください。

高額な先進医療を保障する民間の医療保険も選択肢に

  • このような現状をふまえて病気に備えるには、民間の医療保険、がん保険などに入っておくことも一案。加入の際には、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 保障期間はいつまで?

    加入時期が古いものは保障期間が「60歳まで」など決まっているものも。終身保障(保障が一生涯続く)を望むなら、要確認です。

  • 先進医療特約はついている?

    先進医療の費用をカバーする保険は、基本的に単独の主契約ではなく、特約のみ。少し前までは1000万円が最高額でしたが、医療費の高額化により2000万円まで保障される特約が登場しています。自分が望む保障金額も確認しましょう。

  • 一時金は支払われる?

    病気が判明するとすぐ検査や情報集めのためにお金が必要となるため、一時金がしっかり支払われるものを選びましょう。

  • 通院保障はついている?

    最近は大きな病気でも入院期間を短くする方向で治療が行われるため、通院保障の必要性が増しています。

  • がん保険は、どの段階から保険金が支払われる?

    がん保険では、どのステージかによって給付金の支払い額が変わります。ステージによっては支払われない場合もあるので、初期から保険金が支払われるものを選ぶほうが、安心です。

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事