医療保険の加入前の審査では健康状態などの告知が必要!加入できないケースとは?
医療保険の加入前の審査では健康状態などの告知が必要!加入できないケースとは?
公開日 2018/01/18
更新日 2021/03/24

医療保険の加入前の審査では健康状態などの告知が必要!加入できないケースとは?

医療保険に加入するためには、健康状態などの告知をし、保険会社の審査に通らなければなりません。
きちんと保障を受けられるよう、加入の条件、審査期間や基準など、審査の内容について知っておきましょう。

本記事では、告知書に記載する内容や、加入できないケース、もしも加入できない場合の対策などについて説明します。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

医療保険とは。公的と民間の違いは?

  • 医療保険とは、保険の対象になっている人(被保険者)が病気やケガで入院したり、所定の手術を受けたりしたときに、保険会社から給付金が支払われる保険です。入院給付金や手術給付金の額は通常、加入時に契約で一定額を定めます。

  • 医療保険と聞いて、(国民)健康保険などの「公的医療保険」と混同する人もいるようです。

  • 医療保険には大きく分けて「公的医療保険」と「民間の医療保険」との2種類がありますが、給付の仕方や加入義務の有無の点などで違いがあります。

  • 冒頭で説明したのは民間の医療保険で、病気やケガによる医療費負担が大きくなる場合に備えて任意で加入する保険です。

  • 対して公的医療保険日本に住む全ての人が加入を義務づけられています。職業状況や年齢に応じて、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度などに分けられますが、実際にかかった医療費の1~3割を自己負担する仕組みです。

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医療保険の事前審査とは?審査期間はどのくらい?

  • 前述したように、民間の医療保険は加入を希望する人が任意で申込む保険です。

  • しかし、申込みをすれば誰でも加入できるわけではなく、保険会社によって申込みが承諾されて初めて保険に加入できることになります。

  • この申込みから承諾(契約成立)までの間には保険会社による審査が行われます。

  • 医療保険の審査とは、保険会社が申込み内容や加入動機、被保険者の健康状態などを確認し、その申込みを引き受けるかどうか、引き受ける場合でも何か条件を付けることが必要かどうかなどを判断することをいいます。

  • 加入申込み時に過去の傷病歴(傷病名・治療期間等)や現在の健康状態、職業などを告知するのはこのためです。申込み内容や年齢などによっては医師による診査を受けることが必要な場合もあります。

  • 審査が行われることで、医療保険に加入申込みをしてから契約が成立するまでに期間が空きます。

  • 審査にかかる期間は保険会社や申込み時期、申込み内容、告知した内容などによってまちまちですが、申込書や告知書への記載事項に不備がなく、告知した内容にもとくに問題がない場合で、一般的には申込みから1~2週間程度の場合が多いようです。

  • しかし、もしもこの期間中に病気になったら給付金は支払われるのかと気になる人もいるかもしれません。そこで、「責任開始日」の決まり方について知っておきましょう。

  • 責任開始日とは保険会社が保障を開始する日を指します。通常、以下の3つのうち一番遅い日が責任開始日となります。

  • ・申込日:申込書に署名・押印をした日

    ・告知日(診査日):告知書に告知内容を記載した日、あるいは医師(または面接士)の診査を受けた日

    ・第1回保険料充当金の払込日:第1回保険料充当金の払込みを口座振替とする場合、実際の振替日まで待たず、「申込日」「告知日(診査日)」のどちらか遅い日が責任開始日になります。

  • つまり、以上の3点がすべて終わった時点で保障が始まり、その後に発生した病気やケガであれば基本的には給付金が支払われることになります。ただし、その病気の原因が責任開始日前に生じていた病気やケガを原因とする場合には保障の対象にはなりません

  • また、ガンに対する保障は90日間の免責期間があります。医療保険でもガン特約を付加している場合には、責任開始日後すぐに保障が開始されるわけではないことは知っておきましょう。

一般的な審査内容と告知項目

  • 審査の内容や引き受けに対する判定基準は保険会社により異なりますが、医療保険で審査のポイントとなるのは、健康状態、職業、道徳上の審査の3点です。

  • ・ポイント1:健康状態

    3つのポイントのなかで最も重要とされているのが、健康状態の審査です。保険会社が用意した「告知書」に記載されている健康に関する質問事項に、被保険者本人が書面に「はい」か「いいえ」で回答し、「はい」に該当する項目は具体的に状況を記載します。

  • これを「告知」といい、主に次のような項目があります。

  • 現在の健康状態過去3カ月以内の医師の診察・検査・治療・投薬の有無
    既往症過去5年以内に特定の病気で、医師の診察・検査をうけ、通院・治療・投薬・入院・手術などの有無
    ガンの罹患歴今までのガンまたは上皮内新生物の診断有無
    直近の健康診断結果過去2年以内の健康診断・人間ドックの受診有無およびその結果
    障害の有無身体に障害があるか(手・足の欠損・機能障害、背骨<脊柱>・視力・聴力・言語・そしゃく機能等)
    妊娠の有無女性の場合、妊娠しているかどうか

    筆者作成

  • 健康状態の審査では、告知した内容をもとに加入の承諾可否や条件などが判定されます。

  • なお、事実と異なることを告知したり、告知もれがあった場合には告知義務違反とみなされ、契約が解除されたり、保障が受けられなくなる場合もあります。正確な記入を心がけましょう。

  • ・ポイント2:職業

    被保険者の職業についても保険会社にとって大切な審査ポイントで、職業および具体的な仕事内容について告知しなければなりません

  • 病気やケガのリスクが高いとされる職業に就いている人は加入を断られたり、加入できても給付金額等が制限される場合もあります。

  • ・ポイント3:モラルリスク(道徳上の審査)

    モラルリスクとは、保険制度の悪用や道徳的な危険のことを意味します。

  • 残念ながら、本来は必要のない入院をするなど、医療保険を不正利用して給付金を受け取る例が起こっているのも事実です。保険会社は引き受けの承諾をする前に、このようなリスクがないかの審査を行います。

医療保険に加入できないケース

  • 先に見た健康状態の告知項目に該当するものがある人は、医療保険に加入できるかどうか不安に感じるのではないでしょうか。

  • どの会社も審査の基準を公表しておらず、一概には言えませんが、必ずしも加入を断られるとは限りません。それでも告知日時点において入院中の人や、医師に入院・手術を勧められているような場合には基本的に医療保険に加入できません。

  • また、過去5年以内にガンや脳卒中、慢性膵炎、パーキンソン病、躁うつ病ほか、保険会社が特定する病気によって医師による治療・投薬を受けたことがある場合は加入できない場合が多いようです。

  • 気を付けたいのは、誰にでも起こりそうな身近な病気が原因で加入できないこともあることです。

  • たとえば、風邪や不眠症、貧血など。これらは、ちょっとした不摂生や疲れなどで発症しやすいものですが、背後に他の重大な病気のタネが潜んでいる場合もあり、慎重に審査されます。症状や数値、保険会社の判断によっては保険料割り増しなどの条件が付く可能性もあります。

  • 後々告知義務違反とみなされてしまわないよう、ちょっとした風邪だから伝えなくてもいいと考えず、告知をするときにはきちんと伝えましょう。風邪気味の場合は、症状が良くなるのを待って加入申込みをするのもいいかもしれません。

医療保険に加入できない場合どうすればいい?

  • もしも医療保険への加入を断られても、すぐにあきらめるのはあまりおすすめできません。

  • というのも、加入を断られた原因が健康上の理由であれば、入院や手術をするリスクが高めであるとも考えられるからです。そうであれば医療費負担への備えはきちんとしておいたほうがいいでしょう。

  • 加入可否や条件の有無は、保険会社や保険商品・給付金額などによっても基準が変わります。まずは他の保険会社にも問い合わせてみましょう。

  • ただし、一度に複数の保険会社に申し込んでモラルリスクを疑われないよう注意が必要です。いくつかの保険会社にパンフレットを請求し、条件などを比較・検討してみましょう。

  • それでも難しい場合には、引受基準緩和型や限定告知型の医療保険もあります。ただし、持病があっても加入できるタイプの保険は保険料も割高です。医療費負担リスクと支払い保険料のバランスも考えながら加入を検討してください。

  • 加入できないリスクを最小限にとどめるためには、健康なうちに医療保険に加入しておくのがいいかもしれません。

  • ※本ページに記載されている情報は2021年2月25日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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