突然のケガや病気…働けなくなって収入が止まったときの備えはできてる?
突然のケガや病気…働けなくなって収入が止まったときの備えはできてる?

2017/12/21

突然のケガや病気…働けなくなって収入が止まったときの備えはできてる?

突然のケガや病気で働けなくなったら…なんて、今まで想像したことがなかったかも知れませんね。
でも、普通に働けるときにこそ備えておくことが大切です。
公的なサポートも備えておきたい貯蓄や保険も、働き方によって異なりますから「私の場合」を知ることが備えの第一歩です。

文・監修:國場弥生(ファイナンシャルプランナー)

収入が途絶えるってどういうこと?

  • ケガや病気で働けなくなると、どんなことが起こるのでしょう?20~30代のシングル女性の場合、会社員であれば、しばらくは有給休暇や病気休暇など勤務先の制度を利用することができるかも知れません。ですが、長引けばいずれお給料がなくなり、その一方で家賃や通信費、クレジットカードの引き落としなどお金が出て行くばかりの状態に陥ってしまいます。生活費のほかにケガや病気の治療費などの支払いも待ってはくれません。自営業やフリーランスの場合はすぐに収入がなくなりますから、事態はさらに深刻です。

  • シングルの場合、当然ながら働いてお金を稼ぐことができるのは自分だけですから、実家で暮らしていたり、困ったときすぐに実家を頼れたりする場合はまだしも、働けなくなってしまったら生活が成り立ちません。

知っておきたい「私の場合」の「傷病手当金」

  • ケガや病気で働けなくなったときに頼りになるのが傷病手当金などの公的なサポートです。ただし、会社員なのか自営業なのかなど働き方によって違いがあるので、「私の場合」を知っておきましょう。

  • 会社員の場合/契約社員や派遣社員の場合

    会社員が加入する健康保険には、ケガや病気で仕事を休まなくてはならなくなり、お給料が支払われない場合に受け取ることのできる「傷病手当金」があります。金額は休業前のお給料の3分の2程度、期間は最長1年6か月です。もしものときに1年半にわたって本人や養っている家族の生活を守ってくれる、とても心強い制度といえます。

  • 傷病手当金の概要

    病気休業中の本人や家族の生活を守るための制度で、ケガや病気のために会社を休み、報酬が受けられない場合に受け取ることができる。

    <主な条件>

    ① 業務外のケガや病気であること

    ② 働けない状態であること

    ③ 3日以上連続して働けない場合に4日目から

    ④ 給料をもらっていないこと

    ※詳細は加入している健康保険に確認してください

  • 契約社員や派遣社員といった形態で働いている場合も、勤務先や派遣元を通じて健康保険に加入しているなら、傷病手当金を受け取ることができます。一定の条件を満たせば、退職後も引き続き傷病手当金をもらえるケースがあります。

  • ケガや病気で障害状態になり、国が定める基準に該当する場合は障害年金をもらえるようになります。会社員など(厚生年金に加入)は「障害基礎年金(障害等級1級の場合月額81,177円*、2級の場合月額64,941円*)」に上乗せして、過去の収入などに応じた「障害厚生年金」も受け取ることができます。

    *いずれも平成29年度の金額。子どもがいる場合は加算があります

  • なお、ケガや病気が仕事によるもの(業務災害)や通勤によるもの(通勤災害)の場合には労災保険から補償を受けることができます。

  • 自営業やフリーランスの場合

    自営業やフリーランスとして働いている人が加入する国民健康保険には、会社員のような傷病手当金の制度がありません。当然ながら有給休暇もありませんから、働けなくなるとすぐさま収入がストップしてしまいます(同じ職業の人などで構成される「国民健康保険組合」に加入している場合は、組合へご確認ください)。

  • ケガや病気で障害状態になり、国が定める基準に該当する場合は障害年金をもらえるようになります。自営業やフリーランスの人(国民年金に加入)が受け取る「障害基礎年金」は、障害等級1級の場合月額81,177円*、2級の場合月額64,941円*です。

    *いずれも平成29年度の金額。子どもがいる場合は加算があります

  • 自営業やフリーランスとして働く人は収入が多いかも知れませんが、有給休暇などの勤務先の制度に守られていなかったり、傷病手当金や障害厚生年金といった公的なサポートが受けられなかったりするので、その分貯蓄や保険など自力で備えておく必要があります。

もしもに備えてどのくらい貯蓄があればいい?

  • 働き方によってケガや病気のときに受けられる公的なサポートが異なるので、もしもに備えてどのくらい貯蓄をしておけばよいかの目安も変わります。

  • 会社員の場合は、有給休暇など勤務先の制度や家賃の有無(実家ぐらしかどうか)にもよりますが、お給料(額面)の3分の2程度を傷病手当金として受け取ることを踏まえて、残りの3分の1×1年程度は貯蓄をしておきたいものです。

  • 例)お給料(額面30万円であれば)10万円×12か月=120万円程度

  • 自営業やフリーランスの場合は、有給休暇や傷病手当金といったサポートがないので、生活費(家賃なども含む月額)×1年程度の貯蓄は最低限として確保しておきましょう。

  • 例)生活費20万円×12か月=240万円程度

  • 上記いずれも期間を1年として計算しているのは1年分備えていればどのような状況にも対応できるということではありません。日常的な生活費以外にかかる治療費などは、高額療養費制度*はあるものの相当額の支出になりかねませんし、働けない期間が1年を超えて長期化する可能性もあります。

    *高額療養費制度は、病院や薬局で支払った金額がひと月の上限額を超えた場合に、その超えた金額を返してもらうことができる制度です。上限金額は年齢や収入によって異なります(年収400万円の30代女性の場合、保険対象の支払った金額が30万円なら上限は約9万円)。

  • 重い病気や事故による医療費は、一時的に高額のお金が必要となるケースが多くみられます。こうした突発的に必要になるお金は、社内預金や投資信託などのように引き出すのに時間がかかるものではなく、普通預金などのようにいつでも引き出すことができる状態にしておく方が安心です。

医療保険や就業不能保険で備える手も

  • ケガや病気に対しては民間の医療保険に加入することで備えている人も少なくありません。医療保険は、入院したり手術を受けたりしたとき、あるいは特定の病気になったときなどに、治療のためのお金を受け取ることを主な目的としたものです。そのほかの選択肢として、働けなくなったときの収入ダウンに備えるための「就業不能保険」もあります。保険会社ごとの特徴はありますが、一定の期間を超えて、入院や医師の指示による自宅療養のために働くことができない状態が続いたり、国による障害認定や要介護認定を受けたりした場合に、あらかじめ契約した金額を受け取ることができます(医療そのほかの保険の特約として、同様の保障を付加することができる場合もあります)。

  • 一般的な医療保険には、1回の入院に対して給付金の支払いは60日までなどの制限があることが多く、早い段階からお金を受け取ることができる一方で長期の備えにはなりにくい面があります。就業不能保険は60日、180日など一定の期間を超えることが条件になるので、すぐにお金を受け取ることはできないけれど働けない期間が長く続いた場合に備えるのに向いていると考えられます。

  • ケガや病気で働けなくなってしまったあとでは、貯蓄をすることも保険に入ることもできません。普通に働くことができるときに備えについて考えておきましょう。

  • ファイナンシャルプランナー 國場弥生さん

    ■お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 國場弥生さん
    個人相談のほか、書籍や雑誌・Webサイト等での執筆活動を幅広く行っている。『上手にはじめる外貨預金(自由国民社)』『一生お金の不安がなくなる本(エクスナレッジ)』など著書多数。株式会社プラチナ・コンシェルジュ取締役
    https://www.pt-con.jp/

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