これからの人生、いくら貯めれば安心できる?【二人暮らし夫婦編】
これからの人生、いくら貯めれば安心できる?【二人暮らし夫婦編】

2017/12/19

これからの人生、いくら貯めれば安心できる?【二人暮らし夫婦編】

アラサーは、女性の人生の分岐点。結婚する? 出産する? それとも独身を貫く?
いずれの場合も、老後のお金は気になるところ。
【単身編】に続いて、今回は【二人暮らし夫婦編】。
今後の人生で結婚し、子どもは生まないという選択をした場合、老後に備えてどのくらいの資産が必要なのでしょうか。
必要な金額と、備え方について、ファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんに聞きました。

取材・文:江尻亜由子、監修:岩城みずほ(ファイナンシャルプランナー)

結婚すると、収入は2倍。夫婦合算で老後資金を考える

  • 老後資金を導き出すための基本的な公式は、単身編で使用した以下のものと同じ。この公式にあてはめる数値を、30歳女性と、同年代男性との夫婦として合算して算出します。

  • この公式で求められる必要貯蓄率、老後生活費などが自動計算できるシステムが岩城みずほさんのHPに設置されているので、そちらに自分の数値を入力しながら考えるとわかりやすいはず。

    https://www.officebenefit.com/calculate/index.html

  • まずは、その数値の考え方からご紹介します。

  • [人生設計の基本公式]

    女性は30歳女性の平均値から生涯の平均年収を300万円とし、男性は500万円と仮定。それぞれの手取り年収を240万円、400万円として合算します。これは、生涯の年収の平均値として割り出した金額。二人ともがフルタイムで働いて55歳くらいまで昇給し、その後約2割下がって60歳で定年を迎え、定年退職後は現役時代の5割ほどの年収で65歳まで継続雇用を続けるという前提です。

  • 「二人暮らし夫婦の場合は女性も仕事を続けられるので、パートではなく正社員や契約社員などで働くとして考えます。

    [人生設計の基本公式]に入れる年収は、今後の<手取り年収の平均>になりますので、二人の年収を合算して、640万円とします。

    <年金額>は、二人とも厚生年金で65歳まで働くとして、『ねんきん定期便』の見込み額で約320万円としました。

    <生涯の平均年収>×<働いた年数>× 0.0055でも将来受け取ることができる年金額が計算できます。

    この夫婦は住宅をローンで購入すると考え、<老後生活費率>は、住宅ローン完済したとして、現役時代の7割と設定します。<現在貯蓄額>は、住宅購入の頭金を支払ったという前提でマイナス400万円とします」

  • それらの条件をまとめると、下の表のように。

ポイントは女性の仕事。可能な限り、フルタイムで働いて

  • 上の表の数値を[人生設計の基本公式]に当てはめてみましょう。

    「夫婦二人で年間に必要な貯蓄金額は約75万8000円、月額だと約6万3000円です。この貯蓄額を、二人の収入の割合から6:4で按分すると、夫が月額3万8000円、妻が2万5000円となります。現役時代の生活は、貯蓄をした後月額47万円ほどです。住宅ローンを支払いながらでも、まずまずやっていけるのではないでしょうか」

  • この必要貯蓄額を達成していれば、老後生活費率は現役時代の70%と計算しているので、月額47万円×0.7=約32万9000円で生活することができます。このように、単身よりも二人で収入を合算する方がより余裕が生まれます。

  • 「しかし、妻が仕事を辞めてしまうと、生涯年収も年金額も大きく変わることになります。年金は、一生受け取ることができますので、長く生きることが予想される女性にとっては、特に心強い味方です。ぜひフルタイムで働くことをおすすめします。

  • パートの方も、130万円の壁(一部の人は106万円)を気にしないで、働くことをおすすめします。130万円以上(一部の人は106万円以上)になると、妻には所得税、住民税に加えて社会保険料がかかるようになりますし、夫も配偶者控除が使えなくなり税額がアップします。つまり、手取りが減ってしまいます。でも、これだけで損だと思うのは間違いです。

  • 自分で社会保険に入ることで、将来もらえる年金が増えます。厚生年金に加入することになるので、将来、国民年金に上乗せして年金を受け取ることができるのです。年金の受給額は亡くなるまで変わりませんから、心強い限りです」

iDeCoやつみたてNISAの節税効果を最大限に活用

  • 夫婦ともにフルタイムで働く場合、必要貯蓄額を着実に貯めるために必要なことは?

  • 「夫婦ともに収入があると、生活レベルが上がり派手に浪費しやすい傾向があります。充分な収入がある家庭でも、ほとんど貯蓄がないことも多いです。その原因のひとつが、夫婦別会計で、互いに相手の収入や貯蓄額を知らないこと。必要貯蓄額を決め、しっかり貯めていきましょう。少なくとも年に1度は通帳をつき合わせて目標貯蓄額が達成できているかを確認することです。収支をガラス張りにしている家計の方が貯蓄のスピードも上がり、より貯められます」

  • 貯蓄する「お金の置き場所」として、まずおすすめなのは、単身編でもご紹介したiDeCoです。夫婦ともに掛け金の上限まで拠出し、税制優遇のあるiDeCoを活用しましょう。さらに2018年から始まる「つみたてNISA」(※)の制度も併用するのがおすすめです。詳しくは、金融庁のHPを参考にしてください。

    http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/

  • ※つみたてNISAについては、「社会人になったら、まず身につけたい習慣はこれ「先取り貯蓄」で貯め体質になる!」もご参照ください。

  • 「つみたてNISAで購入できる投資信託は、約6000本ある日本の投資信託の中から、手数料のコストなどの厳しい審査基準をクリアした128本(2017年12月6日時点)が対象です。年間40万円まで(月額約33,333円)投資ができ、運用益や売却益に対して、通常20%かかる税金が非課税になります。非課税期間は最長20年間で、投資総額は最大800万円です。iDeCoは60歳まで引き出すことができませんが、つみたてNISAは、途中で売却することができます」

  • ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさん

    お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさん
    アナウンサー、生命保険会社勤務などを経て2009年にファイナンシャルプランナーとして独立。オフィスベネフィット代表。セミナー、個人相談、執筆など幅広く活動し、公正中立な立場でお金にまつわる情報を発信している。東洋経済オンライン『今からでも必ず解決できる!おカネと人生の相談室』、毎日新聞経済プレミア『保険選びの相談室』にて連載中。
    https://www.officebenefit.com

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