短期入院と一時金重視がキーワード!? 保険選びのための最新トピックス7
短期入院と一時金重視がキーワード!? 保険選びのための最新トピックス7

2017/11/16

短期入院と一時金重視がキーワード!? 保険選びのための最新トピックス7

生命保険や医療保険にも流行があるのをご存知ですか?
医療技術の進化や世の中の変化に応じて、保険も進化しています。
保険のトピックスを押さえることは、保険選びのチェックポイントにもなります。
そこで、保険の最新情報をお届けします。

文・監修:田辺南香(ファイナンシャル・プランナー)

●医療保険は「短期入院」がキーワード

  • 医療の進歩や医療費を抑えたいという国の施策によって、一般的な病気やケガでの平均入院日数は、この17年間で11日も短くなりました。入院した人のうちおよそ3分の1は4日以内に退院するというほど、短期入院が増えています。

  • 入院の短期化は、医療費が少なくて済むなら私たち個人にとってもうれしいことです。では、民間の医療保険に加入する場合は、どのような影響があるのでしょうか?

  • 従来の医療保険は、入院1日あたり5千円や1万円といった入院日額を決めて契約し、手術をすると入院日額の10倍や20倍などをもらえるタイプが一般的(入院日額5千円で手術10倍型なら手術給付金は5万円)。

  • 虫垂炎の手術で入院した例を比較してみましょう。

    以前なら開腹手術で8日間入院するところを、今なら身体へのダメージが少なく、傷も小さくて済む腹腔鏡手術を選択し、4日間で退院したとします。入院日額5千円タイプの医療保険からもらえる入院給付金は、入院8日間なら4万円、4日間なら2万円です。手術の費用は、開腹手術よりも腹腔鏡手術の方が高くなりますが、医療保険の手術給付金は同額というケースも(医療保険によって同額ではないケースもあります)。つまり、入院や手術に備えて医療保険に加入していても、医療の進化、入院の短期化によって医療保険からの給付金が少なくなり、自己負担が増えてしまうケースもあるのです。

  • このような背景もあり、最近発売されている医療保険では、短期入院を手厚く保障する商品が増えています。具体的には、4日以内の入院でも5日分や、9日以内でも10日分の入院給付金をもらえるタイプ。または一律5万円など定額を受け取るタイプです。「初期入院保障」「入院一時金」「入院見舞金」などと呼ばれるもので、あらかじめ基本の契約に含まれているものもあれば、特約として追加するタイプがありますので注意しましょう。

●「女性疾病特約」のカバー範囲が拡大!

  • 多くの医療保険は、「女性疾病特約」という女性特有の病気になると入院日額が上乗せされる特約を追加できます。この特約をパッケージ化して「女性向け医療保険」「レディース保険」などの名称で販売しているケースもあります。

    “女性疾病”の範囲は、従来は子宮や卵巣、乳房、異常妊娠・異常分娩などいわゆる女性特有の部位や病気に、せいぜい関節リウマチや甲状腺疾患など、女性がかかりやすい病気が2、3追加される程度でした。最近では、女性特有な部位以外の大腸がんや肺がんなど全てのがんを対象としたり、糖尿病や急性心筋梗塞、脳卒中など広く生活習慣病までを女性疾病の対象とする商品も出てきました。

  • また、入院日額の上乗せ以外にも、乳がんなどで乳房を切除し、乳房再建術を受ける場合の費用を50万円や100万円など受け取る商品もあります。カバー範囲が広い分、特約料が高くなっている商品もありますので、バランスを見て選びましょう。

●がん保険は一時金タイプが主流に!

  • 従来のがん保険は、入院や手術の給付金に加えて、がんと診断されると受け取る診断給付金がセットになっているのが一般的。しかし、がんになると手術を中心に行われていた治療法に加えて、抗がん剤治療(化学療法)、放射線治療、さらに免疫療法や粒子線治療など医療技術の進歩とともに多様化しています。また、入院による治療だけでなく、通院で治療するケースも増加。このような現状に対応して、がん保険も入院や手術の給付金を無くして、「がん診断給付金」という一時金だけの保障で、保険料を抑えるタイプも出てきました。

  • 今後、さらに新しい治療法が見つかるかもしれません。その時に、一時金ならどんな治療法もカバーできるため、使い勝手がいいかもしれません。各商品の違いは、がん診断給付金が上皮内がんでも同額でるのか?回数に制限はあるか?などがあります。当然、手厚いほど保険料が高くなる傾向がありますから、予算を考慮して比較しましょう。

●働けない時のための保険「就業不能保険」が続々登場!

  • 少子化や未婚化などで、遺族のための死亡保険のニーズが薄れている中、病気やケガで働くことができない時の収入をカバーする保険「就業不能保険」が増えているのも、2017年のトレンドのひとつ。家族の有無に関わらず、重い病気やケガで働くことができずに収入が減ったり、途絶えてしまったらどうでしょう。生活費はずっとかかりますし、住宅ローンの返済は続きます。つまり、本当に大変になるのは、亡くなった時よりも働けない時かもしれません。このようなピンチに備えるのが、就業不能保険です。保障があるのは60~70歳など現役の一定年齢まで。老後の生活費をカバーするものではない点には注意しましょう。

●長生きリスクに備えるための年金保険はここに注意!

  • 女性の2人に1人は90歳まで生きる時代。長生きして、お金が足りなくなってしまわないか気になるところです。こうした長生きリスクに備える保険が年金保険。しかし、今は国内の金利が非常に低いため、円建ての年金保険は受け取る年金額に対して支払う保険料が高め。そこで増えているのが外貨建ての商品です。円より金利の高い米ドルや豪ドルなどで定額の保険料を支払い(※)、満期になると、外貨で年金を受け取ります。保険料が割安なのは魅力ですが、為替リスクには注意。年金受取時が円高の場合、円に換算すると支払った保険料よりも年金総額が少なくなってしまう可能性も。為替リスクを避けるためには、保険料は一時払いではなく、月払いでタイミングを分けるなど工夫が必要です。

    (※)外貨建年金保険の中には、円で定額を支払うタイプの商品もあります。

●健康な人は保険料が安くなる保険も!

  • 年齢が上がるにつれて、病気や死亡のリスクが高まるので、保険料が高くなるのが一般的。ところが、健康な人ほど病気になりにくく、死亡率も低いため、保険金を受け取る可能性が低くなります。その分保険料を割り引く医療保険や死亡保険があります。たばこを吸わない人や血圧やBMI値(肥満度)が適正な人は、保険料が安くなるのです。さらに、細かく健康状態を年齢に表した“健康年齢”で保険料が決まる医療保険も登場しています。

●三大疾病になると保険料が免除される!

  • がん、急性心筋梗塞、脳卒中など特定の病気で、一定の状態になると、その後保険料が免除される医療保険や死亡保険(特定疾病支払免除特則付)が増えています。最近では、特定疾病の対象範囲が広がったり、“一定の状態”という条件が緩くなったりと、保険料免除の幅が広がる傾向にあります。

  • 2017年の最新情報をご紹介しましたが、いかがでしたか?

  • 心配ごと全てを保険でカバーしようとすると、保険料が高くなりますので、優先順位を付けて考えることが大切です。病気のリスクについて、保険と貯蓄をどのようなバランスで備えるのか、健康なうちに考えておきましょう。保険は健康でなければ加入できなかったり、病歴があると保険料が高くなったりするからです。また、既に加入している保険がある人も、内容をチェックしてみましょう。新しい保険に加入し直した方が、保険料はさほど変わらず、保障を充実させられるケースもあります。自分や家族の状況が変化して、必要な保険が変わっていることも考えられます。

  • 一度、専門家に相談するか、保険を見直してみてはいかがでしょう。

  • 田辺 南香(たなべ みか)

    ■お話を伺ったのはこの方 田辺 南香(たなべ みか)
    株式会社プラチナ・コンシェルジュ ファイナンシャル・プランナー(CFPⓇ)
    ライフプランから見た家計管理・保険・住宅などマネーに関するアドバイスや、セミナー・Webサイト・雑誌等で情報発信を行う。主な書著「“未来家計簿”で簡単チェック! 40代から間に合うマネープラン」(日本経済新聞出版社)、「隠すだけ!貯金術」「家計簿いらずの年間100万円!貯金術」「女ひとり人生 お金&暮らしの不安が消える本」(KADOKAWA メディアファクトリー)。

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