公的年金だけでは老後が不安…。 個人年金保険のメリット&デメリットを知りたい!
公的年金だけでは老後が不安…。 個人年金保険のメリット&デメリットを知りたい!

2017/11/08

公的年金だけでは老後が不安…。 個人年金保険のメリット&デメリットを知りたい!

国民年金/厚生年金と呼ばれる公的年金は、少子化や年金財政の見直しから受給の年齢が引き上げられたり、金額が少なくなる可能性が。そうでなくても、それだけに頼って老後生活を送るのは、金額的にかなり厳しそう…。
そこで用意されているのが、一般の保険会社で加入できる個人年金保険。一体どんなものなのか、そのメリットとデメリットを探りました。

取材・文:江尻亜由子、監修:加倉井慎(ファイナンシャルプランナー)

死亡保障付きだと、個人年金保険とは別商品。しっかりチェックを

  • 個人年金保険(税制上でも個人年金保険と認められるもの)とは、契約時点から60歳を超えた期間まで、10年間以上保険料を積み立てて行くタイプの保険。年金受取人は、保険料を支払う本人か、その配偶者に限られます。契約で定められた60代以降の年齢から、年金を受け取ることができます。

    積み立て方法/受け取り期間などによりいくつかの種類がありますが、基本的な仕組みは以下の図のような形に。

    まずは、「個人年金保険」の代表的なタイプを見てみましょう。

  • [運用方法による分類]

    積み立てる保険料をどのように運用するのか、による分類で考えると、以下の3種が主なものとなります。

  • ●円建て個人年金保険

    一般的に「個人年金保険」といわれてイメージされるのがこちら。保険料を円で支払い、日本国債などをベースにして運用し、年金も円での受け取りに。現在は国内の予定利率が低いため受け取り金額が支払い分を大きく上回るのは難しい状況ですが、円建ての安心感は利点です。

  • ●外貨建て個人年金保険

    円か外貨で保険料を支払い、積み立て分を外貨で運用します。米ドル建てが基本で、一部豪ドル建てやユーロ建ても。海外の利率は日本より高いため円建てより有利に運用できますが、為替変動がリスクに。受け取り時期に円安ならば受給額が増えますが、円高になると受給額が減ります。また円と外貨の交換をする際の為替手数料分が差し引かれることも、注意すべきポイントです。

  • ●変額個人年金保険

    保険料のうち積み立てされた金額を、国内外の株や債券を含む「特別勘定」で運用。運用実績次第で受け取れる年金額が変わります。プロの運用により年金額の増額が狙える反面、支払った保険料合計より受け取り年金合計額が下回る「元本割れ」になるリスクも。こちらは為替と株価、両方の変動に影響を受けるので、3種の中で最もリスクの高い商品となります。

  • [年金受け取り期間による分類]

    60歳以上の時点で満期となってからどのように年金を受け取るか、で分類を考えると、主に3種類あります。

  • ●確定年金

    契約時に決めた受給年齢からの受け取り期間(5年、10年、20年など)の間は、生死に関係なく年金を受け取れます。(期間中に自分が死亡していたら、遺族が受け取り)

    一定の年齢で受給が終了してしまいますが、終身年金より毎年の受け取り金額は多くなります。退職後に老齢年金が受け取れるまでの空白期間ができるかもしれない、という不安があるなら、つなぎ生活資金として活用するのに最適です。

  • ●保障期間付終身年金

    契約時に決めた受給年齢から自分が死亡するまで、一生涯年金を受け取れます。(自分が死亡した時点で受給はストップ)

    長生きリスクに備えられる代わりに、毎年の受け取り額は確定年金より少なくなります。

  • ●一括受け取り

    受給年齢に達した時点で、年金として受け取れる金額を全額一度に受け取る形です。大きな金額が必要な場合や、自分で手元に置いて自由に使いたい場合は、こちらの受け取り方に。ただし、確定年金に比べて返戻率(利率)が低くなりやすい面があります。

  • ※どの場合も、自分が年金を受け取れる年齢になる前に亡くなった場合は、払い込み済みの保険料に相当する死亡給付金が遺族に支払われます。

  • 「個人年金保険」に似ているものとして、「死亡保障付き終身保険」などがありますが、死亡保障がついたものは「個人年金保険」とは税制上別の保険となります。また「払い込み期間が10年以上、60歳より上の年齢まで」というのも「個人年金保険」の条件。一括で保険料を支払っていたり、払い込み終了年齢が55歳、などのものは「個人年金保険」とは別の種類の保険として扱われるので、気をつけましょう。

個人年金保険料控除が受けられるのが、最大のメリット

  • 種類ごとの特徴を知った上で、個人年金保険という制度自体のメリットとデメリットを考えると、以下の点が挙げられます。

  • [個人年金保険のメリット]

    1. 強制的な積み立てで、貯まりやすい

    保険料はたいてい自動的に引き落とされて積み立てられるため、自分で貯金するのが苦手な人でも自然に貯まります。

  • 2. 保険料の一部が税控除され、受け取り時にも控除がある

    1年間に支払った保険料の一部を所得から控除できる「個人年金保険控除」という税制優遇措置があり、所得税と住民税が軽減されます。

    また受け取り時に年金にするのではなく一括受け取りにする場合、運用益が50万円以内であれば特別控除が適用され、所得税がかかりません。

    50万円を超える場合も、所得税がかかるのは超えた金額分の1/2に対してのみです。

    通常の年金受け取りにする場合は、受け取り金額から保険料相当額を差し引いた運用益分に対してのみ、所得税がかかります。

  • 3. 持病があっても加入できる商品がある

    生命保険や医療保険は持病があると加入しづらいものがほとんどですが、個人年金保険は加入できる場合が多いです。

  • 4. 積み立てた金額の範囲内なら低金利でお金を借りられる

    保険料の支払い途中でも、急に大きなお金が必要になった際には「契約者貸付」という制度が使えます。これは、積み立てた保険料の範囲内なら保険会社からお金を借りられる、という仕組み。一般のキャッシングに比べて金利が低いため、保険を解約して他の金融機関で借金をするよりお得です。借りられる金額や金利は加入状況により変わりますので、万が一のときは保険会社に確認してみましょう。

  • [個人年金保険のデメリット]

    1. 年金金額を増やすための運用が上手く行くとは限らない

    契約時に受給金額の利率が確定している個人年金保険の場合、受け取り時までにインフレが起きて利率以上の物価上昇が起きていたら、その分受け取り金額が目減りする可能性が。また変額個人年金や外貨建て個人年金はもともと受け取り金額が未確定なので、運用や為替の状況により、元本割れするリスクがあります。

  • 2. 中途解約だと元本割れの可能性がある

    個人年金保険の払い込み期間は通常だと長期にわたるため、途中で何らかの事情により支払いが困難になることも。その場合、中途解約すると元本割れするリスクが高くなります。解約しないで追加の支払いもしない「払済保険(はらいずみほけん)」と呼ばれる状態にし、受給年齢になるまで置いておくほうが有利な場合も。支払いが困難になった際には保険会社に相談してみましょう。

    また、あらかじめ無理のない範囲の金額設定にすることも大切です。

  • 一度加入すると、一生を通じて長いおつきあいになる個人年金保険。検討する際には、保険比較サイトなどの相談を利用するのもオススメ。いくつかの保険会社で見積もりを取るなどし、払い込む保険料と受け取る年金金額について、しっかり検討しましょう。

  • ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん

    ■お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん
    医療用医薬品商社での営業職を経て、外資系金融機関へ転職しファイナンシャルプランナーに転身。家計の見直し、保険相談、不動産売買のアドバイス、住宅ローンなどの相談を受け、年間400世帯以上、累計2000世帯以上にアドバイス。大手金融機関の年間表彰式に、3年連続入賞中。
    お客様に寄り添うアドバイスで、「一家に一人、加倉井を」という存在を目指して活動中。

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事