ストレス解消で生産性アップ!? 気分良く生きるスキル、マインドフルネスとは
ストレス解消で生産性アップ!? 気分良く生きるスキル、マインドフルネスとは

2018/01/18

ストレス解消で生産性アップ!? 気分良く生きるスキル、マインドフルネスとは

ここ数年多くの書籍やテレビで取り上げられ、よく聞く言葉となったマインドフルネス。
言葉だけは知っていても、その内容は意外に知られていないよう。
企業や官庁など様々な組織に向けてマインドフルネスの指導を行う、
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事・荻野淳也さんに、その効果と実践法を聞きました。

取材・文:江尻亜由子、監修:荻野淳也

「今、ここ」に集中することで、心を悩ませるものから離れられる

  • 上司との関係がうまくいかない、友人の充実したSNSを見て自分の毎日に凹む、おかげで休日も全然リラックスできず、疲れがたまっていく…。真面目な人ほど陥りがちな、負のループ。メンタル不調にもつながるこんな心の状態を、しっかりリセットする方法があれば良いと思いませんか? その解決法のひとつが、マインドフルネスです。

  • 「マインドフルネスとは、『今・ここ』に注意を向けている状態のことです。

  • 人はぼーっとしている時、過去の失敗を気に病んだり、未完成の仕事を心配していたり…など、目の前にあること以外に意識がとらわれがちですよね。その状態は一見、休息を取っているようでいて、実は脳に大きな負荷をかけています。これが、体は休んでいるのに疲れが取れない原因の1つ。特にうつになりやすい人は、意識が『今』ではないところへ向いた状態になりやすく、脳が過度に疲労しているといわれています。

  • そこで『マインドフルネス=今・ここに集中した状態』を意識して作ることで、頭の中をクリアにし、“気づき”を得ることができます。集中したほうが脳にとっては疲労度が少なく、効率良く働くことができるのです」(荻野淳也さん・以下同)

  • その状態になることで、3つの効果があるのだそう。

  • 「1つは、仕事や趣味、家事など自分が行うこと全般のパフォーマンスがアップすること。集中することで効果的な働きをすることができ、目標を実現しやすくなります。

  • 2つ目は、セルフコンディショニング力のアップ。忙しく仕事や生活に追われている方は、心身の状態に無頓着になりがちです。しかしマインドフルネスで自分に意識を向けることで、体やメンタルの細かい変化に気づいて適切に休息を取るなどの対応ができます。

  • 3つ目は、心身の健康を保ち、幸福感を感じやすくなること。後からご紹介する『マインドフルネス瞑想』や『ボディスキャン』を行う過程で、例えば、脳の“島皮質”という部分が鍛えられます。この島皮質は他人の痛みや感覚に共感する能力と関係しているので、ここが鍛えられると対人的な共感性が高まり、幸福感を感じやすくなるといわれているのです」

マインドフルネスの代表的な実践法は、瞑想がベース

  • そんなマインドフルネスの実践方法として代表的なのが「マインドフルネス瞑想」。その具体的な方法をご紹介します。

  • 【マインドフルネス瞑想の方法】

  • 1 椅子に座って姿勢を正し、目をとじる

    両足を地面へしっかりつけ、椅子に座ります。骨盤を立てて背筋を伸ばし、リラックス。両肩は後ろへ引いたところで下ろし、両手のひらはももの上へ。手のひらは、上向きでも下向きでもOKです。

  • 2 自分の呼吸に意識を向ける

    姿勢が作れたら目を閉じ、まず5回、大きな深呼吸を。鼻から吸って、鼻から吐く空気の流れを感じます。

  • 3 雑念を受け入れる

    呼吸を続けて少しすると、ほとんどの人に雑念がわいてきます。「このやり方で合ってるのかな」などの疑問がわいてきたり、室外の音に気を取られたり。

    しかし、それを「ダメだな」と評価・判断しないこと。あるがままの自分の状態を観察し、「外の音が気になっているな」「今自分はこんなことを考えているな」と受け入れます。

  • 4 再度、意識を呼吸に向け直す

    3の観察がひと段落したら、一旦その雑念は頭の片隅に置き、また呼吸に注意を戻していきます。

    呼吸に注意を注ぐ→注意が逸れる、雑念がわく→注意が逸れたことに気づき、雑念を手放す→そしてまた呼吸に注意を注ぐ。このプロセスを自分のペースで保ち、5~10分間続けます。

  • 5 ゆっくり目を開けて終了

    最後に改めて自分の注意を呼吸にしっかり向けたら、ゆっくり目を開けて、終了です。

  • 「私が紹介しているマインドフルネス瞑想は、宗教とは切り離され、科学的に検証されたもの。そのため『1時間行ったら光が見えた』『無心になった』などの怪しげな(笑)、状態を目指すものではありません。大切なのは、短い時間でも習慣化することです。

  • 継続して実践することで集中力が高まったり頭がクリアになるといわれていますが、注意点としては、『何回やっても頭がクリアにならない』などのジャッジをしないことです。その時の自分の、あるがままの状態を受け入れましょう。また、そのようなジャッジをしてしまうことが自分の考え方のクセだと気づくことも大切ですね」

  • この他に、瞑想と同じように姿勢を整えて深呼吸をした後、頭のてっぺんから徐々に意識を体の下へ下ろして行き、足先まで各パーツへ注意を向けて行く「ボディスキャン」という方法も。

  • 「マインドフルネス瞑想が呼吸に意識を向けるのに対し、ボディスキャンは自分の体に意識を向ける方法。

  • 顕著な効果は、身体感覚が繊細に感じられること。結果として、共感能力が鍛えられることになります。スポーツ選手はボディスキャンを積極的に行って、自分の身体感覚を高めることが多いようです」

日々の生活の中でも、マインドフルネスを実践できる

  • 一方で「歩く」「食べる」「仕事で行うパソコン作業」「家事」などの日常生活も、マインドフルネス実践の場にすることが可能なのだとか。

  • 「たとえば野菜を切る時には、その作業に集中していますよね。そのように目の前の作業に集中して取り組むことは、結果としてマインドフルネスになっています」

  • その他にも「マインドフルネスリスニング」という方法が。これは誰かの話を聞く際に、相手の言葉を集中して受け止めること。

  • 「我々は普段、相手の話に集中して聞いていると思っていても、頭の中では違うことを考えがちです。『それは違うのでは?』という批評や『それを言ってほしかったんです』など。つまり無意識のうちに、自分の頭の中にも注意が注がれているわけです。これも瞑想でいえば雑念なので、相手の話をジャッジメントせず、ただしっかり聞いてみる。

  • それにより、自分にどんな気づきがあるか、が重要です。そして『5割しか聞けていなかった、じゃあ10割聞けるようにしよう』というように、気づきによって行動を変えていければ、相手との関係性が変わることもあるかもしれません」

  • 米国グーグルなどで働くビジネスパーソンから世界のトップアスリートまで、幅広い分野の人々が取り入れていることで知られるマインドフルネス。私たちの日常で取り入れることでも、様々な効能が期待できそう。早速、今日から実践してみては?

  • 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事 荻野淳也さん

    お話を伺ったのはこの方 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事 荻野淳也さん
    株式会社ライフスタイルプロデュース代表取締役。
    外資系コンサルティング会社勤務後、スタートアップ企業のIPO担当や取締役を経て、現職に。Googleで生まれた脳科学とマインドフルネスの能力開発メソッド「SEARCH INSIDE YOURSELF」の認定講師であり、日本でSIYプログラムを初めて開催。様々な企業を対象に組織リーダーの変容を支援し、会社や社会の変革を図っている。『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス~JOY ON DEMAND(ジョイオンデマンド)』(NHK出版)ほか、監訳著書も多数。

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